漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(125)立秋 暑さのぶり返しにご用心
●24節気 立秋(8月7~22日)
二十四節気(にじゅうしせっき)の立秋(りっしゅう)は、ひぐらしが鳴き、前日に降った雨から山や水辺に白く深い霧が立ちこめる頃とされてきました。
しかし、現代では夏真っ盛り。日本の夏は気候帯の変化により亜熱帯といってもいい様相になっています。局地的豪雨と熱帯夜。室内の冷房と屋外の寒暖差。現代の立秋の時期は、気をつけなくてはならないことがたくさんあります。
そんな状況でも、夏は夏らしく汗をたくさんかくことが一番大切。この時期に代謝を上げておかないと、過ごしやすい秋になっても良い体調を得られません。中国では立秋を過ぎても暑い天気は「秋老虎」と呼ばれます。一時的に暑さのぶり返しが起こるため「清熱」も必要ですが、その際は熱を発散させて身体を冷ます辛味の食材は避けて、深まる秋への準備のために、陽気を収れんさせる作用のある酸味の食材を摂取するよう心がけましょう。
トマトは酸味で寒性。身体の熱を冷まし、体液を補充して喉の渇きを止め、胃腸の働きを整え食欲を回復させる作用があります。また、中国では羊の肝と一緒に食べることで貧血を防いだり、トマトの皮をむいてはちみつと混ぜて食べると便秘に効果があるとされています。
●トマト
【栄養学】抗酸化作用のあるビタミン類や、高い作用を持つ赤い色素リコピンを含みます。
【薬膳学】身体の熱を冷まし、体液を補充して喉の渇きを止め、胃腸の働きを整え食欲を回復させる作用があります。
(東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 昼田常子(レシピも))
◆トマトごはん
トマトを丸ごと炊き込んだハト麦入りごはん
エネルギー339kcal/たんぱく質5.9g/塩0.9g(1人分)
<材料・2人分>
・精白米……1合
・ハト麦……大さじ1
A・ケチャップ……小さじ1
A・酒……大さじ1
A・塩……小さじ1/4
A・花かつお……1.5g
・水……180ml
・トマト……小1個(約120g)
・えごま油……大さじ1/2
・青じそ(粗みじん切り)……3枚分
<作り方>
(1)精白米にハト麦を加えてとぎ、水も加えて炊飯器に入れて30分以上おく。
(2)Aを加え、中央にトマトを入れて炊く。
(3)炊きあがったらえごま油をふり入れ、トマトを崩すように混ぜてから器に盛り、刻んだ青じそを散らす。