漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(129)大雪 空、重たい雲におおわれて
●24節気 大雪(12月7~21日頃)
二十四節気では、7日から大雪が降るという大雪(たいせつ)の時節に入ります。これは、二十四節気がつくられた中国の黄河流域地方の気候からきていて、いまの日本ではむしろ晴天が続きます。ただ、風は冷たくなってきます。
さらに3つに分けた七十二候では、初候は「そら 寒く冬となる」、空が重たい灰色の雲におおわれる様が描かれます。次候は「熊 穴にこもる」と山の動物の冬ごもり、末候は「さけのうお群がる」と、海で数年を過ごした鮭が、ふるさとの川の上流を目指し帰って行く様子が表現されています。大雪から15日後は冬至。1年のうちで日の出から日没までの時間、つまり昼が最も短い日となります。
晴れ渡った冬の日は、空が高く見えます。 なのに曇りや雨の日、その雲はどんよりと低い空に浮かびます。夏の日は高い空に浮かぶのに。なぜでしょうか。それは、湿度が高く気温が低いほど、雲は低い位置に発生する性質があるから。力のない冬の日差しと相まって、空が寂しく物悲しい雰囲気に感じられますね。
こんな時、季節のおすすめはにら。温陽補腎の作用があります。身体を温め、腎の機能を高めます。
●にら
【栄養学】β-カロテン・ビタミンC・葉酸・食物繊維が豊富。辛味成分のアリシンは食欲増進効果あり、スタミナ増強につながります。
【薬膳学】身体を温める作用があります。手足や腰の冷え、腰痛に効果的です。血の巡りも良くします。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 河村彩子(レシピも)
◆にらとサケのかす汁
スタミナ増強&血流促進
エネルギー161kcal たんぱく質9.3g 塩分1.4g(1人分)
<材料・2人分>
・にら……2/3束
・甘塩サケ……1/2切れ
・ねぎ……1/3本
・酒かす……50g
・だし汁……2カップ
・みそ……少々
・七味唐辛子……少々
<作り方>
(1)にらは2cmの長さに、甘塩サケは4つに切る。ねぎは小口切りにする。
(2)鍋にだし汁を入れて火にかけ、沸騰したら甘塩サケとねぎを入れて、弱火で5分煮る。
(3)にらと、煮汁で溶かした酒かすを加え、さっと煮る。味をみて薄いようならみそで調整する。
(4)器に盛って、七味唐辛子をふる。