漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(140)雨が雪に変わる時
りんご
りんごの豚肉巻き
●24節気 小雪(しょうせつ)(11月22日~12月6日)
遠くの高い山に積もった雪がうっすらと見え、北国では初霜が降りる頃。二十四節気では「小雪」と言います。それをさらに3つに分けた七十二候では、初候は「虹かくれて見えず」。次候は「朔風(さくふう)葉を払う」と冷たい北風が木々の葉を吹き飛ばしていく様が。末候は「たちばなはじめて黄なり」と、冬の柑橘が実る様子が描かれています。
この時期になると、空から降ってくるのは雨ではなく雪に変わるようになりますね。
雨も雪も元は同じもの。空高く昇った空気が冷やされてできる極小の水の粒(雲粒)や小さなチリを核にしてできた六角形の氷の結晶が雪や雨の元ですが、地上に降りてくる間に溶けてしまったのが雨、結晶が溶けずに降りてきたのが雪になります。
「雪は天から送られた手紙」と言ったのは中谷宇吉郎博士です。言葉通り、雪の結晶の形は大気や地上の温度、湿度でいろいろと変わります。つまり、結晶を見れば大気のことが分かるのです。
雪のままでいられるのは地上の気温が3~2℃以下の時。「これから本格的な冬になりますよ」と、ひらひら舞い散る美しい結晶が教えてくれているのでしょうか?
●気象歳時記
五運六気・辛丑年(2021年)
これから小寒までは、客気と主気が太陽寒水、在泉も太陽寒水で厳しい寒さとなりそうです。
●りんご
【栄養学】腸内環境を整える水溶性と不溶性の食物繊維が豊富。善玉菌を増やし便秘を改善します。りんごポリフェノールの健康効果にも注目。
【薬膳学】一物全体食として皮つきで食べるのがおすすめ。肺を潤し、乾燥から守ります。消化不良の改善や下痢を止める働きもあります。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 奈良理香子(レシピも)
◆りんごの豚肉巻き
冬に備えた食養生
エネルギー288kcal たんぱく質12.0g 塩分0.6g(1人分)
<材料・2人分>
・りんご……小1個
・豚ロース肉(薄切り)……6枚
・にんじん……40g
・塩・こしょう……少々
・片栗粉……大さじ1
・油……小さじ1
・ポン酢しょうゆ……小さじ2
・キャベツ(せん切り)……80g
<作り方>
(1)りんご1/2個は皮つきのまま6等分のくし切りにして芯を除く。豚肉を広げて表面に塩・こしょう、片栗粉をふり、りんごをのせて豚肉で巻く。
(2)フライパンに油を温めて(1)を焼く。焼き色がついたらフタをして弱火で3分焼き、片側に寄せてにんじんと残りのりんごのすりおろしを加え、さらに3分加熱する。
(3)火を止め、(2)のすりおろしにポン酢を混ぜてソースをつくる。皿にキャベツとソースを盛り、その上に斜め2つに切った肉巻きを盛りつける。