漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(152)立冬 寒暖差ケアには季節野菜を
●24節気 立冬(りっとう)(11月7~21日)
立冬は、秋の真ん中の秋分から、昼が一番短い冬至に向かう日にちの中間点。冬の始まりの日。この頃、寒暖差が最も大きくなる季節といわれます。けれど、気象庁の調査では1日の中での気温差は春→冬→秋→夏の順番で、秋は意外にその差が少ないようです。
立冬の頃の天候は、高気圧がもたらす秋晴れと上空に寒気を伴った低気圧がひんぱんに繰り返され、そのたびに気温は激しく上下します。つまり1日内の温度差でなく、日ごとの温度差が激しい時期なのです。こうした時、私たちの自律神経は体温を一定に保つため懸命に働いて、身体に寒暖差疲労が起きやすくなります。
気温は揺れながらも確実に冬の寒さへ向かいます。季節の野菜、身体を温めるねぎなどで養生しましょう。
●ごうんろっきで気象うらない 五運六気・2022年(壬寅年)
五運の主運と客運が水太過で重なるため、例年より厳しい寒さとなりそうです。
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五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
◆ねぎとかぼちゃの重ね蒸し
身体を温めながら潤いを与える
エネルギー247kcal たんぱく質17.2g 塩分0.5g(1人分)
〈材料・2人分〉
・ねぎ……2本
・豚もも肉(薄切り)……160g
・かぼちゃ……30g
・しいたけ……小4枚
・落花生(薄皮付き)……10粒
A・すり黒ごま……大さじ1
A・黒酢……大さじ1
A・しょうゆ……小さじ1
A・黒砂糖……小さじ1
〈作り方〉
(1)ねぎは斜め切り、しいたけはそぎ切り、かぼちゃは薄切りにする。
(2)オーブン用シート2枚に、(1)と食べやすい大きさに切った豚肉を重ねて包む。
(3)フライパンに(2)と水150mlを入れ、フタをして中火で20分ほど蒸す。
(4)落花生を細かくきざみ、Aと混ぜ、(3)にかける。
●ねぎ Green onion
【栄養学】ねぎの白い部分には硫化アリルが多く含まれ、ビタミンB1の吸収を助けてくれるので、豚肉との組み合わせはおすすめです。
【薬膳学】冬は寒さが増すだけでなく乾燥しやすい時期。身体を温めるねぎと、潤いを与えてくれる豚肉で養いましょう。
国際薬膳師・中医薬膳専門栄養士 飯田和子(レシピも)