漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(184)大暑 産地の桃の食べ方は?
●24節気 大暑(7月22日~8月6日頃)
1年で最も暑い時期、大暑。全国の中でも特に気温が上がるのが盆地です。大陸と海洋の比熱の差で沿岸部よりも気温の年較差が大きくなり、山による隔離で空気が乾燥して降水量が少ないことも理由です。
山梨県の甲府盆地は、南アルプスなど周囲の山の隆起と河川の浸食によってできた扇状地でもあります。扇状地の水はけの良さ、盆地の寒暖差や太陽の恵みで果物、特に桃の名産地です。
一般的に、桃はしばらく置いてやわらかくしてから食べますが、産地である山梨では、とれたてのかたさ、サクサクとした感触を楽しむのが主流。皮に近い部分が甘いため、皮つきのまま流水で産毛をこすりとるように洗い、そのまま食べることも。
夏の疲労回復や水分補給にぴったり。手作りデザートも楽しめますよ。
●ごうんろっきで気象うらない
五運六気・2025年(乙巳年)
主運が土運太過、主気が太陰湿土と土気が重なって、蒸し暑さが続くかもしれません。
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五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
◆桃のブラマンジェ
水分を補い、ほてりを解消
エネルギー135kcal たんぱく質3.1g 塩分0g(1個分)
〈材料・4人分〉
・白桃……1個
A・砂糖……大さじ3
A・水……180ml
B・コーンスターチ……大さじ2
B・砂糖……大さじ4
・牛乳……180ml
・無糖ヨーグルト……150g
・ミント……少々
〈作り方〉
(1)桃は洗ってうぶ毛をとり、くし切りにする。鍋にAと一緒に入れ10分煮て、皮をとって冷ます。飾り用の4切れ分以外をフォークでつぶす。
(2)鍋にBを混ぜ、牛乳を少しずつ加えて中火にかける。煮立ってきたら弱火にして混ぜながら4分加熱し、火からおろす。
(3)(2)に(1)のつぶした桃を加えて混ぜ、粗熱をとる。ヨーグルトを加えて器に入れ、冷蔵庫で冷やす。飾り用の桃とミントをのせる。
●桃 Peach
【栄養学】食物繊維のペクチンを多く含み、腸を整えて便秘を予防します。主成分の果糖はエネルギー源として疲労回復に役立ちます。
【薬膳学】梅雨明けすると暑さで身体の水分が失われます。桃は乾燥状態を潤し、気の不足を補う働きがあります。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 奈良理香子(レシピも)