百寿の道も一食から(47)ざくろ クレオパトラも愛した紅の粒
丸い実の中に、小さな粒々がギュッと詰まっている、ざくろ。食用部位は、種衣(しゅい)と呼ばれる透き通る紅色の粒で、プチプチはじけるような食感と爽やかな甘酸っぱさが楽しめる。原産地はイランやトルコなど西南アジア辺りとされる。世界各地の古代神話に登場するほど古くから栽培され、クレオパトラが食したという説も。紅い実は料理や飲み物に利用され、人気カクテルの「テキーラサンライズ」に使われるグレナデンシロップは、ざくろの果汁に砂糖を加えてつくられる。また根などは薬として珍重されている。
ざくろの紅い粒には、ビタミンやクエン酸、ミネラル、葉酸など健康維持に欠かせない成分が含まれている。中でも昨今注目されているざくろ中の成分が、強力な抗酸化作用を持つポリフェノールの一種であるエラグ酸。ポリフェノールとは、植物に含まれる苦味や色素の成分で、自然界には8000種類以上あると言われている。
エラグ酸は、ざくろの他にも、ラズベリー、いちご、くるみなどの果物に含まれている。近年、エラグ酸の抗酸化作用などの効果を科学的に証明する臨床試験が進められ、美容・健康分野での研究論文が数多く発表されている。
エラグ酸は加熱損失が少なく、生果に限らず、ジャムやジュースにしても摂取できることが知られている。日々のバランスの良い食生活に加えて、ざくろジュースを添えて飲むなど、効果的にとり入れよう。
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