初ガツオは香りを楽しもう ハーブや香辛野菜でさわやかに

2008.05.10 154号 04面
「築地魚河岸三代目」登場のカツオのガワ丼(右)

「築地魚河岸三代目」登場のカツオのガワ丼(右)

 春から初夏のカツオは、「初鰹」「のぼり鰹」と呼ばれ、日本人に古くから親しまれてきた。おいしくいただくポイントを築地「濱長」の福地享子さんに聞いた。

 ●のぼりカツオは若々しい

 「のぼりのカツオは香りを楽しむ。戻りのカツオは脂を楽しむ」と昔から言われます。

 ぐんぐんと北へ上っていく、若々しいカツオの身上は香り。これはたぎる血の匂い、なんですね。寒い冬が終わって、さあ頑張って元気に仕事しようという初夏、昔の江戸っ子はこれをたいそう喜んで食べました。鉄分、ビタミンB群、タンパク質を含み、脂肪が少なめのカツオは、女性に不足しがちな成分も多く強い味方です。

 金気がちょっと苦手という人もいますが、「血合い」の部分こそ、鉄分やビタミンB群がたっぷり。ぜひ、まるごといただきましょう。

 足が早いので、購入したらすぐにがポイントです。

 ●薄切りで、サラダ仕立てに

 ベランダで家庭菜園を育てているお家ならば、イタリアンパセリやバジリコなどがたくさん芽生えてくる時期ですね。こうしたハーブや野菜いっぱいのカルパッチョにすれば、お魚や金気が苦手な人にも食べやすい1皿メニューになります。江戸っ子は、カツオはぶ厚く切ってが基本ですが、サラダ仕立てなら薄切りにするのもいいですね。味付けはポン酢にオリーブオイルを合わせた簡単和風ドレッシングでいかがでしょうか。

 「築地魚河岸三代目」に登場する「カツオのガワ丼」は、まかないっぽいメニューですね。やはり香りの野菜がたくさん入っています。

 ◆「築地魚河岸三代目」登場のカツオのガワ丼

 〈材料〉

 かつお、アサツキ、タマネギ、ショウガ、ミョウガ、ニンニク、みそ、ワカメ、オクラ、梅干し

 〈作り方〉

 (1)かつおは粗いみじん切りにする。

 (2)アサツキを小口切り、タマネギをみじん切り、ショウガをすり下ろし、ミョウガとニンニクは千切りにする。

 (3)(1)と(2)を混ぜる。

 (4)みそを水で溶き、(3)に入れる。

 (5)丼ぶりにごはんを入れ、(4)を上からかける。

 (6)ワカメ、オクラをのせ、氷と梅干しの肉を入れる。

 ◆プロフィール

 福地享子さん 築地「濱長」売り子・フリー編集ライター 著書に『築地魚河岸猫の手修業』他。

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