シリアル市場に追い風 再評価の動きも高まる

各メーカーは独自色で市場活性化に挑む

各メーカーは独自色で市場活性化に挑む

シリアル市場が復調している。2019年末放映の「M-1グランプリ」で「コーンフレーク」ネタが話題となり、新規顧客とリトライアルの獲得に成功し、チャック付き包装形態への変更など利便性の向上で、ここ数年成長基調にあったコーンフレークの需要拡大に拍車が掛かった。さらに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う、小中高校の休校で、家庭における子どもの食が課題となる中、栄養バランスに優れ、簡便性が高い、シリアルを再評価する動きも高まった。

KSP-POSデータによる2019年3月~20年2月の販売実績は、数量ベースで前年比0.2%増、金額ベースではほぼ前年並みで推移。2月単月では、金額ベースで前年同月比21.8%増、数量ベースで21.1%増と高い伸びを示し、平均単価も0.6%上昇した。復調から成長への転機となる20年春、各メーカーは独自色を出し、市場活性化に挑む。

日清シスコは、マーケティング志向の価値提案型企業らしく、自ら「風を起こし」市場活性化に挑戦。「ナッツで強化する」戦略の下、「コーン以外の素材を活用した、本格的な素材のおいしにさこだわったフレークがあってもいい」との考えから、ココナツで作る「ココナッツフレーク」を発売。

日本ケロッグは、市場に吹いた追い風をとらえ、市場の底上げにつなげる「M-1グランプリ」で、漫才コンビ「ミルクボーイ」がコーンフレークを「イジる」ネタを披露。公式ツイッターで、即座にトニー・ザ・タイガーの画像とともに「呼んだかね?ん?」とセンスあるツイートを発信。話題拡散に合わせ売上げが急拡大。同社では、この大きなこの流れを一過性にせずに継続させる狙いだ。

カルビーは、「フルグラ」を深耕。11年ぶりとなる中身の改良に加えパッケージもリニューアル。海外は、中国で個食分のサンプリングができる店舗、ジム、宅配などのチャネルでの展開を計画。また、「お友達作戦」を中国でも実施し、ヨーグルトやサラダなどのブランドとのコラボ強化に取り組む。

さらに、ビッグデータを活用した、ROI(投資利益率)を高めるインフルエンサーマーケティング、コンテンツマーケティングに挑戦して、企業間取引に向けたテスト販売も検討する。=関連記事8~9面(青柳英明)

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