ネットスーパー利用に拍車 自宅療養・待機者急増 明日の食卓が生活課題

ニュース 小売 2022.02.28 12368号 01面
自宅療養・待機者の生活インフラとして機能するネットスーパー

自宅療養・待機者の生活インフラとして機能するネットスーパー

 オミクロン株による新型コロナの感染拡大は、自宅療養者や待機者の数をこれまでの拡大局面とは比較にならない規模に増やした。外出できない生活者の購入手段がネットスーパーなどの食品宅配サービスに向かい、地域によっては配達キャパシティーの限界に直面しているケースがある。こうした状況にあって売れ筋にも変化が見られる。自宅から出られない利用者のニーズは今日明日の食卓の準備にあり、生鮮や惣菜の伸長につながっている。(宮川耕平)

 首都圏の企業では、1月のネットスーパー売上高が前年比で1~3割増となる事例が見られる。感染者の増加に伴い、2月の需要はさらに高まっていると思われるが、配達キャパを超えた分の需要がどれほどかは把握できない。

 イオンリテールでは1月のネットスーパー売上げが2割増となる中、店頭受け取りの利用件数は1.7倍に増えたという。希望の配達時間が得られなかった際に、店頭受け取りに切り替える生活者が一定数いるとみている。

 オミクロン株の拡大局面で見られる傾向として、生鮮や惣菜の伸長を挙げる企業は多い。冷食やレトルト、フリーズドライなど調理の手間がかからない商品群とともに、売上げのけん引役になっている。市販薬をオンライン購入できるケースでは解熱剤なども大幅増となっているようだ。

 感染拡大の影響は配達時の受取方法にもみられる。チルドや冷凍品を扱うネットスーパーは、購入者に直接手渡す必要がある。ただ、この状況下における非接触での引き渡し手段として、配達員がインターホンで在宅を確認したうえで商品を玄関先に置いていく場合もある。この事例はイトーヨーカ堂では4割増、イオンリテールでは6倍に増えているという。

 ネットスーパーの需要増は、即日から数日のスパンで配達するサービス体制が、自宅待機を余儀なくされる生活者の必要性にマッチしていることを示す。一方、週1回配達の生協の利用はそこまで急増していない。配達ニーズの受け皿としては異なる役割を担っている。

 生協宅配の売れ筋は冷食や菓子などで、これまでと大きな変化は見られない。ただ、感染が急増した1月中旬からは加工食品やトイレットペーパーが増加傾向にあり、ストック需要の高まりを思わせる。

 生協宅配の動向を週単位で見ても、年初の供給高は反動減により前年を割っていたが、感染の拡大とともに回復基調に移り、2月に入ってからは前年を超えている。週単位で行う計画的な購入にも、感染拡大に対する生活防衛的な需要が見られる。

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