伊藤園、「抹茶」の力で認知機能精度高め、課題解決に挑む

嗜好飲料 ニュース 2020.11.20 12149号 01面
新発売の機能性表示食品「お~いお茶お抹茶」をPR、本庄大介社長(右)と有村架純

新発売の機能性表示食品「お~いお茶お抹茶」をPR、本庄大介社長(右)と有村架純

 伊藤園は「抹茶」の研究や活用を通じ、認知機能に関する課題解決に挑むプロジェクト「ITO EN MATCHA PROJECT」を始動した。これは、同社での20年にわたる「抹茶」の研究成果に基づく製品開発や共同研究、CSR活動などの多角的な事業展開に加え、自治体や異業種とのコラボレーションも推進し、課題解決に取り組むものだ。第1弾として、テアニンと茶カテキンの働きによって“認知機能(注意力・判断力)の精度を高める”機能性表示食品「お~いお茶 お抹茶」を12月7日に新発売する。

 新発売する「お~いお茶 お抹茶」は、テアニンと茶カテキンを組み合わせた認知機能カテゴリーの機能性表示食品となり、日本初となる(同社調べ)。

 抹茶飲料製品(370mlボトル缶)とスティックタイプの「同 POWDER」をラインアップした。機能性関与成分として、摂取目安量1日2本当たりテアニン50.3mgと茶カテキン17mgを配合しており、年齢とともに低下する認知機能が気になる人に提案する。同社独自の契約栽培の抹茶を使用し、豊かなうまみを引き出しているのも特徴だ。

 18日に三井ホールで開催した発表会で、本庄大介社長は「長年にわたり、茶成分の認知機能に与える影響を研究し『抹茶』に含まれる成分が、認知機能の一部となる判断力や注意力を改善することを見いだした。世界では、日本茶や『抹茶』に対する注目が高まっている。『抹茶』に関する研究や取組みを通し、本気で『抹茶』で世界を変えられると信じている。だが、1社では実現ができない。現在は共生・協働の時代。パートナーの方々と高齢化社会の日本を21世紀の世界の先進モデルにすべく、『認知症という大きな社会課題に対し、抹茶で貢献したい』と真剣に考えている。これは私の、そして伊藤園の夢となる」と意気込みを語った。

 同プロジェクトでは、総予算2億円をかけた同社と島津製作所、筑波大学発ベンチャーのMCBI3社による共同研究も進行している。認知症の前段階となる軽度認知障害(MCI)を対象にした臨床試験を22年4月(予定)まで行うなど、「抹茶」のさらなる機能解明に取り組む。

 加えて、社内教育として社員を対象に「認知症サポーター」の養成を行うなど、地域の認知症患者や家族を支える環境づくりに協力していく。(本吉卓也)

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