小説・流通革命シリーズⅡ コンビニエンスストア(10)
秋子(1) 星川は、土曜日の夜、昔から時々行く新宿の喫茶店「フィガロ」で思いがけない光景に出くわした。七時半頃だった。右肩でドアを押すようにして入ると、正面の奥の方に郷地がいたのだ。しかも、郷地は女性といた。星川の位置からは後ろ向き気味で横顔が見えるだけだったが、人違いではない。間違いなく郷地だ。女性はよく見えた。やや腺病質な感じながら整った顔立ちである。何かしきりと話をしている。 郷地は、いつもとまる
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