世界で広がる代替肉市場 大豆タンパク世界首位デュポンが日本でも展開へ
世界の代替肉製品市場は2723億円(2018年)で2022年までに3300億円の市場にまで拡大する見込みだ(ユーロモニター調べ)。ビーガンやベジタリアンだけでなく、肉の食べ過ぎを気にする人や健康やダイエットを気にするフレキシタリアン(時々ベジタリアン食を食べる人)も増え、味も良くなっているため一般食のカテゴリーに広がりを見せる。
代替肉原料となる大豆タンパクの世界首位デュポン社は、米国でのベジミートの成功体験を日本でも展開したい意向だ。低カロリー、低コレステロールに肉の代替となるヘルシー素材は外食・加工食品とさまざまな分野で消費者に「健康」を訴求できる。
同社の強みは「システム提案ができる」こと。タンパク質として扱い品目の多い同社は、大豆タンパクのみならず、エンドウ豆タンパクやカロブ豆タンパクなどを有する。
それらを組み合わせることで製剤化し、メーカーでの商品開発の短縮になる。筋肉増強目的で比較的消化スピードの速いホエーを使用する場合でも、消化スピードの遅いカゼインや大豆を混ぜ製剤化し長時間にわたり血中のアミノ酸濃度を高め、より効果的な筋肉合成を促せるような工夫をするなど、ノウハウやサイエンスが生かされている。
米国では「ビヨンドフード」とか「インポッシブルバーガー」など100%植物原料の商品も消費者に受け入れられているが、日本では「心疾患患者に50%だけ代替肉で肉のうまみを残し半分だけカロリーを減らす」こともでき、アイデア次第で用途拡大は無限だ。
厚労省は2月に日本人のタンパク質摂取の目標量を引き上げる提案をしており、食品メーカーもタンパク質を摂取しやすい製品開発を意識する。
同社の大豆タンパク素材は、生態系・土壌・労働環境へ配慮しているなど米国大豆輸出協会の厳しい基準をクリアし、サステナビリティ認証とラベリングが可能な体制としている。大豆原料の6割に同社製品を使用すれば最終製品に認証マークを付与することが可能だ。