米粉市場が順調に拡大 ゴールデンウイーク需要旺盛

農産加工 ニュース 2020.08.05 12092号 14面

 新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり消費で、米粉市場が伸長している。スイーツや和菓子、パンなど手作り派の増加が要因で、KSP-POSデータによると、3、4月両月で前年比36.1%増。3月単月では同9.9%増に対し、4月は同81.1%増で、特にゴールデンウイーク需要が旺盛。連休後は落ち着いてきたものの、なお高水準で推移している。(佐藤路登世)

 ●スイーツ、和菓子、パンなど手作り派の増加が貢献

 最も市場規模の大きいスイーツや調理用など汎用(はんよう)タイプ新規米粉は、家庭用大手のみたけ食品工業と波里でともに「前年比2~3割増」と声を揃える。「パンケーキミックス」に代表される製菓用プレミックス粉に関しては、ネット通販のウエートが高いカテゴリーだけに、大手のポイントサービスデーは注文が殺到するという。

 週ごとに動きを追うと(POS週次データ・1023店)、2月3~9日の248万9867円に対し、連休を控えた4月20~26日は579万5908円で前週比18.1%増。連休の4月27日~5月3日は721万4296円(前週比24.4%増)、5月4~10日は720万2064円とともに700万円超え。連休後の11~17日は543万5727円で一服感が出たものの、2月第1週と比べると2倍以上に上る。

 そもそも新規米粉が近年拡大傾向にある。農林水産省試算によると、19年米粉用米需要量は約3万5000tに達し、前年の3万1000tから4000t増え、12%増となった。需要量とは、同省が需要者から聞き取った数量を合算したもので、12年以降毎年2万t程度で推移していたが、18年に3万t超えの3万1000tに達し、同24%も拡大。昨年はこの前年をさらに2桁上回った。

 要因は用途の広がりだ。独自のモチモチした食感や老化を遅らせるなどの利点が判明し大手製パンメーカーに代表される食品産業で採用が増えた。併せて国内でも「グルテンフリー」のキーワードが定着し、ダイエットやスポーツのパフォーマンス向上などの目的を持つ人の間で、差別化につながっている。

 さらに、増粘剤や油脂などの代替として使用できるコメピューレや、アルファ化米粉などの米粉加工品も登場し、活用した商品開発が進んでいる。こうした加工品がアレルギー対応米粉パンのおいしさを確保し、商品開発を後押ししている。

 代表事例として尾西食品の「おにしのお米のパン」や、第一屋製パンの特定原材料7品目不使用・国産米粉100%パンのブランド「FAHAN」シリーズ「食事パン玄米」がある。

 ●需要量を下回る原料米手当て、早急に問題解決を

 ただ問題もある。米粉用米生産量に着目すると、19年は前年並みの2万8000tにとどまり、需要量3万5000tとの乖離が広がっている。国の飼料用米生産振興で、飼料用米生産者を手厚く助成していることが背景にあり、原料米手当てが困難となるのは時間の問題だ。これが市場拡大の阻害要因とならないよう早急な問題解決につながる国の施策が必須となってきた。

 一方、農林水産省が取りまとめた6月末時点の各都道府県20年産米作付意向では、「米粉用米」に関しては、前年比増加27県、前年並み3県、減少16県となり、4月末の増加21県、前年並み9県、減少16県との比較で、作付意欲が旺盛となっていることが判明。好調な需要が裏付けられているともいえるが、天候不順もあり予断は許されない状況だ。

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