ファイブ・ア・デイ協会、総会で前田農水省参事官が講演 食育とSDGs推進

前田奈歩子農林水産省大臣官房参事官(食育担当)

前田奈歩子農林水産省大臣官房参事官(食育担当)

 食育と野菜・果物摂取を推進するファイブ・ア・デイ協会は9日、東京都内で定時総会を開き、基調講演で前田奈歩子・農林水産省大臣官房参事官(食育担当)が食育の推進について語った。食育推進施策の普及や、国民の健全な食生活の実現及び食に関する理解の向上に寄与することを目的に5月末に同省が公表した「令和3年度食育白書」の最新調査結果を交えて解説し、「第4次食育推進基本計画」の施策や課題を説明した。

 健康に加えてSDGs、環境問題、デジタル化など、幅広い視点で食育の現状をとらえ、「食育の対象は子どもに限らない。さまざまな年代の人が抱える課題に寄り添い『生涯を通じた心身の健康を支える食育』と『持続可能な食を支える食育』を、多様な立場の人が連携し促進することが重要」と強調した。

 「食育白書」によれば、コロナ禍の影響として、誰かと一緒に食事を取る機会が減り、「共食」に対する考えや行動が変化したことが指摘されている。また、健康維持に欠かせないバランスのよい食事についても、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べている国民の割合は約38%で、コロナ禍以前に比べ20ポイント近く減少した。副菜に当たる野菜と果物の摂取量は、全年代で推奨量に届かず、特に20~30代の低迷が目立つ。

 前田参事官は「農林水産省は、日本の将来の礎となる食育と、健康的で持続可能な食料システムの構築に貢献する野菜・果物摂取の推進を、ファイブ・ア・デイ協会会員や関係者と連携し推進してまいりたい」と述べた。(高木直子)

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