食品産業文化振興会、管理栄養士・手島祐子氏が講演 「人間と地球の健康を」
日本食糧新聞社が主催する食品産業文化振興会は11月22日、講師に三祐コンサルタンツ管理栄養士の手島祐子氏を迎えて「食卓から地球を変える ~あなたと未来をつなぐフードシステム~」をテーマに、東京・八丁堀の食情報館で例会を開催。コロナ禍で三密を考慮した会場における講演・受講およびWeb受講とした。手島氏は「人間と地球の健康をフードシステムを通して同時に実現できる」と紹介した。「フードシステムとは、農場での生産から、加工、貯蔵、流通、マーケティング、小売店での販売、廃棄に至るまで食料供給のあらゆる側面と定義(ジェシカ・ファンゾ著『食卓から地球を変える・あなたと未来をつなぐフードシステム』から)されることから、生活者として日々の食事を見直すことが大切だ」とした。
「プラネタリーヘルスダイエット(PHD)は人間の健康だけでなく地球の健康(環境)も同時に実現することを目的とした新しい概念」と説明。PHDが理想とする環境に負荷をかける肉類などを抑えて自然に優しい野菜を多く取り入れた食事からすると現代人が好む世界平均の食事は、野菜類が少なく、肉や炭水化物の摂取量が多に非常にアンバランスな状況となっている。「一人が1ヵ月間肉抜きの食事(90食)をするということではなく、100人が1食ベジタリアン食にすることで同様に変えられることから、連帯することでも環境を改善できる」(手島氏)と力説した。(宇津木宏昌)