食品産業文化振興会、ブランド戦略講演開催 日経リサーチから講師

大橋知弘日経リサーチ執行役員営業担当補佐兼ブランド事業統括

大橋知弘日経リサーチ執行役員営業担当補佐兼ブランド事業統括

 日本食糧新聞社が主催する食品産業文化振興会は16日、講師に日経リサーチ・執行役員営業担当補佐兼ブランド事業統括の大橋知弘氏を迎えて「ステークホルダーに共感されるコーポレートブランド戦略の潮流」をテーマに東京・入船の食情報館で例会を開催した。大橋氏は「今までのようなブランドの観点でステークホルダーに対して情報発信してもうまく受け取られない時代に突入した。心に届く“共感”が重要」とし、「共感の重要性を理解しているのは食品企業だと考えている」と説明した。

 コミュニティー事例として森永製菓の「エンゼルPLUS」を取り上げ、大橋氏は「2013年11月開設で会員数75万人、PV月平均110万、アクティブユーザーが月平均14万人(23年10月現在)」と紹介した。「コミュニティーは一方的に企業が情報を発信するだけでなく、そのコミュニティー内でいろいろと会員同士でも情報交換がされて、その中で共感から共通が生まれてくる」とし、「上手なサイト運営がブランド育成につながっている」と語った。大橋氏は「VUCA(物事の不確実性が高く、将来の予測が困難な状態)の時代ではこれまでの分析的思考だけでは生き残れないため、共感を軸にした物語戦略をとっていくべき」とし、「企業の姿勢や活動に共感できるのは自分たちの社会をよりよく変えてくれる企業と思うからこそで、未来への期待がコミュニケーションには重要な要素となる」と紹介。

 大橋氏は「食品会社は、もともと若年層の期待に応えられるブランドアセットとしての強みを持っている。しかし、若年層は、表面的なサステナブルには興味を示さず、エビデンスを明確にした明るい未来を共に作る」という企業の確固たるスタンスを伝える必要性を強調した。(宇津木宏昌)

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