食品安全安心・環境貢献賞特集2023

◆食品安全安心・環境貢献賞特集:模範企業3社に栄誉 サステナビリティで業界けん引

総合 2023.11.06 12671号 06面
昨年の祝賀パーティー

昨年の祝賀パーティー

会場は貴重な情報交換の場

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 日本食糧新聞社が制定する「第32回食品安全安心・環境貢献賞」(農林水産省、環境省後援)に日本アクセス、フジ・リテイリング、ヨシケイグループの3社が選ばれた。食品ロス削減や地域との共生、環境に配慮したサービスで存在感を示し、食品産業のサステナビリティ・SDGs達成をけん引する模範的企業として高く評価された。表彰式・祝賀パーティーは11月7日に東京・紀尾井町のホテルニューオータニ東京で「第56回食品産業功労賞」と合同で開催される。(涌井実)

 8月29日に、牛久保明邦委員長(東京農業大学名誉教授)を含む計8人の委員が出席した選考委員会が行われた。候補企業を厳正に審査した結果、今年の受賞企業の3社が決まった。

 日本アクセスは、食品ロス削減策を「ロスを出さない」「売り切る」「配る」「リサイクル」の四つのフェーズに分類し、サプライチェーン全体で食品廃棄を減らす取組みを推進した。改善効果を数値化し、成功事例の横展開やノウハウの共有も積極的に行った。従業員が主体性を持ってサステナビリティ・SDGsに取り組める土壌が整ったことで、それが成果につながるという好循環が生まれた。

 フジ・リテイリングは、地域の拠点となる店づくりを目指す中で立ち上がった全員参加型の「『この街に、あってよかった。』プロジェクト」が評価された。各店舗が主体となり、人や地域に寄り添いながら社会貢献を目指すさまざまな活動が行われた。従業員同士のコミュニケーションが活発化したのはもちろん、地域住民の意見や要望をプロジェクトとして実行に移すボトムアップ型の強い組織ができあがった。

 食品宅配のパイオニアであるヨシケイグループは、環境負荷に配慮しながら事業を継続してきた実績とノウハウが認められた。鍵付き宅配ボックス「あんしんBOX」の無償貸与で客が不在でも再配達をしなくて済む仕組みを確立し、CO2の排出抑制はもちろん営業スタッフの負担軽減や客の利便性向上につなげた。長年にわたり食材宅配のリーディングカンパニーとして、業界発展に寄与した実績も評価された。

 選考委員は以下のメンバーが務めた(敬称略)。

 ▽委員長=牛久保明邦・東京農業大学名誉教授▽委員=荒川隆・食品産業センター理事長(代理出席:大角亨専務理事)、池戸重信・宮城大学名誉教授、井上淳・日本チェーンストア協会副会長、新宮和裕・チームみらい代表、村上秀徳・食品等流通合理化促進機構会長、森下研・持続性推進機構顧問、杉田尚・日本食糧新聞社社長

 ●食品安全安心・環境貢献賞とは… 農水・環境省が後援

 農林水産省と環境省が後援する食品安全安心・環境貢献賞は、食の安全・安心や環境保全、社会貢献などに積極的に取り組み、成果を挙げた食品関連企業を表彰するもの。日本食糧新聞創刊50周年を記念して1992年10月に「日食・環境資源協力賞」として設立され、2007年に名称を「食品安全安心・環境貢献賞」に改めた。今年で32回目を迎え、SDGsやサステナビリティ、リサイクル・再資源化、食品ロス削減、働き方改革、ESG活動などへの取り組みを評価する。

 受賞の対象となるのは継続的な改善を図るマネジメントシステムを構築し、CSR報告書や環境報告書などで適切に情報開示している企業・団体。取組みの実績や革新性、継続性なども評価する。

 毎年8月に選考委員会で候補企業を厳選に審査し、その年の受賞企業を決める。選考委員が強く関係した企業・団体が候補となった場合、当該委員は採決に加わらない。ノミネート企業は随時募集中。問い合わせは、日本食糧新聞社「食品安全安心・環境貢献賞」事務局(電話03・3537・1310、Eメールsaiji@nissyoku.co.jp、担当=安田)まで。

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