ふりかけ市場が正念場 お茶漬けは2桁成長

水産加工 ニュース 2021.04.19 12216号 02面
永谷園の「子育てママプロジェクト」メンバー、ママの声と経験を開発・コミュニケーションに生かす

永谷園の「子育てママプロジェクト」メンバー、ママの声と経験を開発・コミュニケーションに生かす

 ふりかけ市場が正念場を迎えている。コロナ禍の弁当減で消費が戻らず、「鬼滅の刃」「ひろし」などせっかくのヒット効果が薄まった。一方でお茶漬けは2桁成長。増えた内食で選ばれ、前年からの反落もほとんどない。永谷園は今春、最大購入層とつながる「子育てママプロジェクト」を本格化。「めざまし茶づけ」を習慣にし、必需品にしてもらう。

 ふりかけは弁当、おむすびを彩りよく仕上げ、調理と喫食を前向きにする。強みの弁当需要が外出自粛で蒸発。規模400億円に近い市場は前3月期、前年比微減で着地した。堅調だった定番品も期末ごろから軒並み大幅減。前年のコロナ特需から反落した。

 反動減を小さくしたのが丸美屋食品工業の「鬼滅の刃」、三島食品「ひろし」のヒット。オリジナルシール、口コミ人気でともに生産が追いつかないほど需要を得た。天かす、つゆのやみつきご飯の素もカテゴリー規模5億円に成長し、底上げした。昨年の特需は弁当減もあって早めに落ち着き、今期は実力勝負。昨年かなわなかった新生活商戦、特売で弁当シーンの拡大、パスタへの活用などを訴える。

 お茶漬けは通年で絶好調。前期市場を200億円近くまで伸ばして加温、食欲増進機能が評価された。期末の反落もなくて高実績を維持している。永谷園が子どもの朝に最適と提案する「めざまし」でメーンユーザー、食シーンを増大。茶わん2杯目、夜食といった一部のマイナスイメージも払しょくした。

 「ママプロ」は購入、調理を支えてくれる母親に、ママ社員が直接アプローチ。3月30日に初めてオンラインのファンミーティングを行った。朝に効果的な代謝スイッチといった健康価値、食が進む「バター香るさけ茶づけ」などのアレンジを伝えた。イベントを今後も続け、「めざまし」企画で子ども向けの塗り絵も提供。江戸時代からの湯漬け文化を現代につなぐ。=関連記事5~7面(吉岡勇樹)

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