多忙でも読める外食ニュース

2022.06.06 520号 04面

 ●商業施設ビアガーデン、2年ぶりに開幕相次ぐ

 早々と商業施設のビアガーデンがスタートし始めている。東京の「二子玉川ライズ」では、スペイン王室御用達の「マヨルカ」がプロデュースする「プレミアムビアテラス」が5月20日から、大阪「グランフロント大阪」では2年ぶりにソルト・コンソーシアムが運営する「大人のビアガーデン」が5月1日からオープン。金沢の飲食企業アイエムエムフードサービスは、「金沢フォーラス」と「高崎オーパ」の2施設で4月末から「サブリナ ビアガーデン」を開始した。

 解説=外食企業がプロデュースや運営を担当する商業施設のビアガーデンは、すっかり定着した。ここ2年ほどは、新型コロナウイルスの影響で実施を取りやめていた施設も多いが、今年は開催を決定した施設がほとんどだろう。

 ●帝国データバンク発表、回転寿司市場大きく拡大

 帝国データバンクが回転寿司業界の動向調査を発表。これによれば、2020年にコロナ禍で大きく前年を割り込んだ日本国内の回転寿司市場(事業者売上高ベース)は21年には順調に回復。前年比8.3%、約600億円の増加となり、7400億円を超える見込みであるという。これは10年前、11年の4636億円と比べて約1.6倍の増加。また、同調査では回転寿司大手5社の店舗数も同10年間で約1.6倍に増加。22年2月末で約2200店になるという。

 解説=コロナ禍の巣ごもり消費でもファストフードと並んで利用者に支持された回転寿司。10年という単位で見れば、単に一部の企業の業績が伸びているというだけではなく、回転寿司市場全体が大きく拡大していることがわかる。

 ●米穀の神明HDがJVで、おにぎり専門店オープン

 外食業界と深い関わりを持つ米穀大手の神明ホールディングスが、食分野に特化した事業継承ビジネスを行っているまん福ホールディングスとジョイントベンチャー企業を設立。新しいおにぎり専門店ブランド「TARO TOKYO ONIGIRI」を立ち上げた。1号店は東京・虎ノ門に出店。コメ、塩、海苔へのこだわりだけではなく、複数の具材を組み合わせて個性的な味覚を演出している。ロゴや店舗などのデザインには、世界的に活躍する日本の女性アーティストを起用した。

 解説=神明ホールディングスは、2017年から自社でおにぎり専門店「米処 穂」を展開、20年には2号店を出店している。しかし店名などからもわかるように、今回の店舗は海外展開を狙った新ブランドという位置付けのようだ。

 ●値上げ続く外食企業、値下げ、据え置き戦略も

 大手外食企業の多くが値上げを伝える中、競合市場でのシェア確保や顧客離れを防ぐため、これを機に値下げや価格据え置きを発表する企業も現れている。3月に「焼肉の和民」が値下げを発表したのに続いて、すかいらーくレストランツの運営する「バーミヤン」も4月から、メニューの大幅なリニューアルとともに16品目の値下げを発表した。また、ハイデイ日高の運営する「日高屋」では、4月以降も全商品の価格を7月末まで据え置くと発表。生産計画の見直しで対応を図るという。

 解説=「バーミヤン」では、ラーメンなど麺類で約50~100円、中華丼など飯物が60円前後、アルコール類で約130円など、大幅な値下げを行った。また、主力メニューをリニューアルし、味やボリュームの改善を図っている。

 ●サンマルクHDが、事業子会社を吸収

 サンマルクホールディングスが、 事業子会社のサンマルクと函館市場、バケットの3社を吸収合併すると発表。同社は2006年に持株会社制に移行したが、新型コロナウイルスの影響などにより各ブランドの収益性が悪化。今回、同3社を合併し、親会社の事業開発部と共同でレストラン業態の実験や可能性を追求する決定を下したという。同3社はいずれも、21年3月期に単体で赤字を計上している。完全子会社の吸収合併であり、連結業績への影響はない。合併は7月からを予定。

 解説=サンマルクとバケットは、いずれもテイクアウト対応の弱いベーカリーレストラン業態であり、軌道修正の余地がありそうだ。しかし函館市場は業界としては堅調な寿司業界であるだけに、大きな改革の必要があるのかもしれない。

 ●池袋東武の飲食街に、「但馬屋珈琲店」出店

 東京・池袋の東武百貨店レストラン街「スパイス」に純喫茶の「但馬屋珈琲店」が出店。同店は、小売業での創業が1945年、同ブランドの1号店は1987年という老舗の純喫茶。「スパイス」は都内でも最大級の規模を誇る。

 ●「デニーズ」ブランドの、冷凍洋食シリーズ発売

 セブン&アイ・フードシステムズが「デニーズ」ブランドの冷凍食品「Denny’s Table」を発売した。デミグラスソースのハンバーグなど、デニーズが得意とする洋食メニューをラインアップ。当面は店舗で販売する。

 ●米マクドナルドが、ロシア完全撤退

 米マクドナルドが、ロシアからの完全撤退を決定した。同社のロシア1号店(当時はソ連)は、1990年1月にモスクワのプーシキン広場にオープン。それから30年超で約850店に規模を拡大したが、これらすべての店舗を閉店することになる。

 ●モスフードサービス、15時以降の夜モス発売

 モスフードサービスは、一部を除く全国の店舗で、15時以降限定の「夜モス」メニューを発売。「よくばり天 金目鯛とかきあげ」と「よくばり焼肉」という2種類のライスバーガーで、それぞれ590円と620円。具材が多くボリューム感がある。

 ●リンガーハット工場内、食材販売の直売所開設

 リンガーハットは佐賀工場内に直売所を開設した。同社では昨年10月から京都工場で不定期の直売所を設けていたが、これが好評のため現在は土日の定期開催となる。佐賀工場でも同様に土日のみ、工場で製造の冷凍食品などのほか食材も販売する。

 ●ミシュラン一つ星割烹、ラーメン新店開業

 開業後2年でミシュラン一つ星を獲得した大阪・北新地の割烹料理店「野口太郎」の店主、野口太郎氏が北区堂島にラーメン店の新業態をオープン。同氏は2009年、外資系企業から修業経験なく割烹料理人に転身し、繁盛店を生んだことで知られる。

 ●FOOD&LIFE、水産養殖社と共同事業

 「スシロー」を展開するFOOD&LIFE COMPANIESが、熊本県の水産養殖会社、拓洋と共同で新会社マリンバースを設立。経営資源として重要な水産物の安定的な生産や供給を目指し、魚介類の養殖や販売、種苗生産などの事業を行う。

 ●JR東日本駅そばに、調理ロボット導入

 エキナカ飲食店などを手掛けるJR東日本クロスステーションのフードカンパニーが、新規オープンする「いろり庵きらくそば」王子店に、調理を自動化するそばロボットを導入。今後は「いろり庵きらく」ブランドの既存店にも投入する計画という。

 ●中国の肉まんブランド、「包 夜包子」初上陸

 本場の味をそのまま提供する“ガチ中華”と呼ばれる飲食店の人気が高まっている。中国で300店舗を展開しているという中華肉まんブランド「包

 夜包子(パオセン イェーパオズ)」が東京・原宿に初出店。運営は火鍋の専門店などを展開するグローバルエステート。

 ●ロッテリアがSCで、冷凍・冷蔵デリ販売

 ロッテリアは、東京・多摩市の商業施設「京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター」内の店舗限定で、「ロッテリア デリ」と名付けた冷凍・冷蔵商品の販売をスタート。ビーフパティやバンズ、チーズ、ソースなどのほか、レシピ付きのハンバーガーキットも販売する。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

 ※記事は一部の固有名詞を省略

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら