中国に根付く新しい麺文化 「麺愛麺」とんこつスープが看板
北京市を取り巻く環状線内をターゲットに、着々と戦略地図を塗り固めているのが日本の麺店「麺愛麺」。
同店は、一九九五年6月、東京国際貿易、重光産業、丸善食品が共同出資し現地法人北京京日味千食品有限公司を設立、北京進出第一号店として出店したもの。
日本のファミリーレストランをイメージした明るい店内。テーブル、椅子の配置もゆったりし、ビジネスマン、家族客、カップルと幅広い層に受け入れられている。特に、衛生面では安心して入れる店として小さな子供を連れた母親の姿が目に付く。
日本の味を看板としているが、味のベースは中国人に馴染みやすいとんこつスープ。ただ塩分については、麺を主食にする食習慣を配慮し、気を使うという。
当初メニューは、人気の「麺愛麺」七元のほか一〇アイテムでスタートさせるが、試行錯誤ながら新メニューを加え、今では二〇アイテムを揃える。
アバラ肉をチャーシューのタレで煮込んだ「排骨面」一五元は、決して安くはないがボリュームもあり男性客の人気ナンバーワンだ。ちなみに女性客に人気なのが、彩りもきれいに盛り付けられた「五目面」一〇元。また、中国では一人っ子政策で大事にされている子供達のための特別メニュー「児童套餐」一二元もなかなかの人気。
「中国でも北の地方では醤油味が馴染めず」(澤村和明店長)、メニューに表記していたものを取り去り「東京拉面」七元にしたところ注文数が増えたというが、「まずは、こちらの食文化を理解することが肝心」のようだ。この8月には、三号店を日本人駐在員の多い新僑飯店前に出店した。懐かしい日本のラーメン味を慕って「毎日通って来る客もいる」ほど、なかなかの反響を得ている。
今後、直営店でのノウハウを生かしFC展開を図っていくが、9月早々には北京店第一号がオープンする。日本の味がどこまで食い込めるか興味あるところだ。
▽「麺愛麺」本店=北京市宣武区長椿街甲七号、電話63021743