全国中華ランチ繁盛店特集:福岡「唐人閣」

2000.06.19 206号 20面

昼の営業時間は午後2時まで。そのギリギリになってもまったく客足が緩む気配がない。福岡市の都心部から少し離れた場所に店を構える、山東料理の「唐人閣」。ランチタイムはサラリーマンやOLを中心ににぎわっている。

ランチの魅力は何といっても種類の多さ。定食は「麻婆豆腐」(六五〇円)、「青椒肉絲」(六八〇円)、「回鍋肉」(七二〇円)、「酢豚」(八五〇円)、「海老のチリソース炒め」(八八〇円)に、日替わりを加えた全六種類。

ご飯は男性客を意識した大盛りサイズ。メーン料理のほかに中華サラダ、ザーサイ、スープが付く。中でも牛レバーの炒め物などメーンが替わる「日替り定食」(六五〇円)の人気が高く、季節を意識したバラエティー豊かなメーンメニューに、毎日オーダーする客もいる。

定食のほかには「中華丼」(六五〇円)や「海老入りチャーハン」(六五〇円)など、単品メニューを全七種類用意。

特に特製スープが好評の「チャンポン」(六五〇円)は、遠方からも客がわざわざ訪れるほどの人気を集める。

またOL層を中心に支持されているのは、「青椒肉絲」と「回鍋肉」をメーンとした「弁当」(六五〇円)。料理のうまみを伝えるためにつくり置きをせず、その場で出来立てをテークアウトしてもらう。

店は昨年4月にオープン。知名度を高めた看板メニューは「空手ラーメン」(七五〇円)。麺は棒も包丁も用いず素手だけを使い、空中で生地を引き伸ばして作られる。

鶏をベースに、野菜や中国の調味料で仕上げられる含みのあるスープは、口当たりまろやか。ほどよく太さが違う手打ち麺との絡みも抜群とあって、スープまで残さず飲み干す客が続出だ。

作り手は中国で一級調理師の資格を持つ若き料理人、郭付平(かく・ふへい)さん。本場の技術を継承した確かな腕があるからこそ提供できる、この空手ラーメン。「福岡では多分うちだけが出しているメニューでしょう。九州でもあまり例がないのでは」とオーナーの胡照普(こ・しょうふ)さん。

とんこつラーメンが主流の福岡に空手ラーメンを送り込み、際立つ個性で人気を集めている。

◆山東料理「唐人閣」(福岡県福岡市中央区警固二‐一‐一、092・732・3515)店主=胡照普(こ・しょうふ)/営業時間=午前11時30分~午後2時、5時30分~午前1時/坪数・席数=三〇坪・六五席/客単価=一五〇〇~一八〇〇円/平均客数=一日一二〇人前後/平均月商=約四〇〇万円

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