全国ピザ・パスタ繁盛店特集:大阪・イタリア料理「あるふぁ」
パスタが評判のイタリア料理「あるふぁ」があるのは、大阪・キタの地下街「ホワイティうめだ」。地下街は店舗面積が約一万三三〇〇平方メートルあり、日本で三番目の広さ。阪急・阪神・JRの各駅に連絡し、一日約六〇万人が利用する活気ある街だ。
飲食店も五九店舗と多く、多彩なレストランがしのぎを削るこの地下街。しかし、あるふぁが位置するのは、本流の通路からちょっとはずれた場所。人通りもゆるやかで、客観的にみれば経営が難しいところといえる。とはいえ、昼は正午前から、夜は7時半ごろには待ちが出るほどの人気。
「ここは、二〇年前のオープン時にわざと選んだ場所。雑踏から離れている分、本筋にある店にはない利点がある。口コミで探してもらえる店にしたかった」というのは、開業当初からシェフとして切り盛りする坂元康人さん。
手動の格子ドアをガラガラと開ければそこは静かな空間。ちょっとした隠れ家に足を踏み入れるようなイメージがあり、この雰囲気にまず引きつけられる。
利用客の主流は女性。ランチが八〇〇円~、夜のコースが一五〇〇円~という手軽さも女性にうける理由だろう。約三〇種類あるパスタメニューの中でも、人気はクリームソースを使ったタイプ。
「女性客はクリーム系のソースを好む人が多い。パスタの種類や合わせる素材により、ソースの味わいを変えています」という。生クリームは乳脂肪率の高いものから低いものまで数種類を使い分け、チキンブイヨンなどで濃度を調節。同店のクリームソースの特徴である、あっさりした口当たりに仕上げている。
スパゲティや、手打ちのタリアテッレなどのロングパスタは人気があるが、「形状が変われば食感も変わる。これからはショートパスタにもこだわっていきたい」という坂元さん。リボン型のファルファレやペン先型のペンネなど、ショートパスタの種類は多彩だ。その形のおもしろさとソースとの組み合わせをアピールしながら、メニューにバリエーションをつけていきたいという。
「週に何度も足を運びたくなる店」が坂元さんの目標なのだ。二〇年来の常連もいて、飽きられない店づくりは重要なポイント。今後はワインの種類を増やしながら、ワインに合う単品メニューも充実させていく予定とか。気さくに楽しめる店として、夜のカップル客の利用もさらに促したいという。
●売れ筋メニュー
〈一位〉カルボナーラ(スパゲッティ)九八〇円、一日五〇食
〈二位〉ペスカトーレ(スパゲッティ)一一〇〇円、一日三〇食
〈三位〉サーモンのクリーム和え(タリアテッレ)一〇五〇円、一日二五食
●店舗メモ
◆イタリア料理「あるふぁ」(大阪市北区角田町二‐八、ホワイティうめだノースモール2、06・6312・1967)営業時間=午前11時~午後10時、第三木曜定休/坪数・席数=一九坪・三六席/料理長=坂元康人/客単価=約二五〇〇円/平均客数=一日約二五〇人/月商約九〇〇万円
●私の愛用食材
イタリア料理にとってオリーブオイルは欠かせない食材。店では、オリーブオイルがまだポピュラーな存在ではなかった二〇年前から使用しているが、五年ほど前に坂元さんは一本の特徴あるオイルと出合った。
従来のオイルを使い慣れた坂元さんが衝撃を受けたというのが、イタリア中南部・モリーゼ州産のバージンオリーブオイル「コロンナ」(輸入元=サンヨーエンタープライズ、神戸市中央区、078・302・5641)。
このオイルは、有機栽培のオリーブの実とレモンやオレンジなどを一緒に搾って作った商品。オリーブオイルにハーブ類を漬け込んだタイプはよくあるが、オリーブと柑橘類を合わせたものは珍しいという。
坂元さんは、リゾットやグリルした肉や魚の仕上げにこのオイルを使用。少量かけるだけでさわやかな香りとともに味も変わるという、インパクトのあるオリーブオイルだ。











