繁盛店の愛用食材(2)

2001.05.07 227号 11面

◆熊本・カレーハウスGHEE

○特製エスビーカレー エスビー食品

店のカレーにはナツメグ、クミンシード、シナモンなど合計一七種類のスパイスを調合して入れますが、一番量を使うのがこのスパイス。レシピを譲り受けたシェフからは、「単体のスパイスは、良質ならどのメーカーでもいいが、これだけは代えるな」と言われたもの。以来、メーカーを代えることなく使い続けています。そのシェフが遺してくれた、このカレーのレシピだけは守り続けたいと思いますね。

○アルカリイオン水

「野菜や肉は仕込みのたびに近くの食料店で新鮮なものを仕入れるだけ」という店主だが、唯一譲れないこだわりは水。上水道に地下水を使用するほど、飲料水の質と量には恵まれている熊本県だが、店ではさらにアルカリイオン生成器を通した水だけを使う。煮込みにはもちろん、コーヒー、そしてコメをとぐ時点からもアルカリイオン水を使用する。「水道水で作るよりもずっと素材の持ち味を引き出した深い味になる」ことが愛用の理由だ。

◆宮崎・インド料理サジョワン

○ターメリック MDHカンパニー

サジョワンシェフのカレー作りは、経験と舌にまかせてスパイスを入れる家庭料理方式。だが、そのスパイスの選別には厳しい目を持っている。「ターメリックはカレースパイスの中でも一番重要。鮮やかな黄色で、やや苦みのあるものがいい」。日本では、ウコンとしておなじみのターメリック。しかし、インドカレー作りには、やはりインド直輸入の「ターメリック」が絶対必要という。土地のニュアンスが味に表れるのだ。

○玉ネギ

カレーのうまみを決定するのに、一番重要な役割を担う野菜「玉ネギ」。「日本の玉ネギは、インドのものより水っぽい」と困り顔のサジョワンさんだけに、玉ネギ選びは慎重である。大きくて硬めで、色艶形がよく、皮がパリッとはげる、そんな玉ネギを求めて、毎回市場や個人商店などを数軒まわっている。「季節や年によって出来が違うので、産地にこだわらず、自分の目で見て良いものを買いたい」と、ここにもそのこだわりが光る。

◆鹿児島・カレーショッププラモ

○黒砂糖 サメシマ

カレーの仕上げに使うものに、黒砂糖と七味唐辛子がある。黒砂糖はより深いコク、七味唐辛子は辛みだけではなく甘みを引き出す。「鹿児島特産の黒砂糖は少量の隠し味程度ですが、うちのカレーには欠かせないですね。調味料としてより、味の幅を広げるために使用します。ただ、どこのカレーにも合うというものではないでしょう」。郷土料理には欠かせない調味料の黒砂糖はミネラルも豊富。隠し味に使うセンスはご当地ならでは。

○鶏がら

マイルドな味わいのカレーは、コクがあり、後からじわじわと辛みが効いてくる。そのコクを出すのは、じっくりと仕込むスープに秘けつがある。一日に使用する分だけを毎日作るだけあって、鶏がらの量は一回五kgだが、基本に忠実に、手間ひまをかけて低コストに努める。「限られた予算でいかに満足してもらうか、プロの腕の見せ所では」と店主の野崎さん。このスープがあってこそ、家庭では味わえない深みのあるカレーが仕上がる。

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