企業直営(FC)を拝見 モスフードサービス「モスバーガー」 客が客呼び急成長

1993.03.01 23号 6面

今回FC展開で、急成長しているモスフードサービス㈱(新宿区岩戸町、TEL03・3266・7171)を取り上げてみた。同社は、ケンタッキー、あるいはマクドナルドのように、法人を相手にFC展開をするのではなく、原則的には個人を相手にFC展開をしている。当初は、目抜き通りに出店するのではなく、路地裏作戦を展開していった。その理由として、店舗物件が安いということが最大の理由。第一号店は、昭和47年に成増店をオープンさせ、平成五年2月現在で一一七三店舗になっている。一号店の場合は二・七坪という小さな店であった。メニューの中で品質、味などは、他店にまけないもの、派手な広告をしなくても、客が客を呼んでくれる商品作りをモットーにしてきた。しかも、土地があって、資金があって、これを何でもいいから運用したいという人とは契約しない、ひとつの鎖を弱ければ、鎖全体が弱くなるという格言を大事に順守しているためである。

これは、フランチャイズシステムの真理であると考えているからのようだ。そのために、加盟相談に来た人に、開発本部のスタッフが会って、じっくりと話す時間をもってもらう。そして、スタッフは、出店希望者の夢と情熱を聞きます。土地や資金など、出店にいたるまでのあらゆる質問、相談に乗る、モスバーガーは、商品開発にも力を入れている。同社のヒット商品であるテリヤキバーガーは、他店のハンバーガーと違って、しょう油などをベースにした和風ハンバーガーとして成功した。その後、ライスバーガーも独自の開発で、業界を驚かせた。このライスバーガーは、おにぎりからの発想ではあるが、若者のニーズにぴったりあった商品となった。一方、モスバーガーの大きな特徴は、本部と加盟店のコミュニケーションのパイプが太いということである。一つの機関としてモスバーガー共栄会である。その活動システムを紹介すると次の通り。

①理事会・全国各支部の支部長によって構成される議決機関で、年一回のモスバーガー共栄会全国大会を運営し、各委員会の提案を最後的に決定する②HDC委員会、この委員会は、お客をもてなす心、おいしい高品質なものを提供、明るく清潔できれいな店、というモスバーガーの基本的理念を確認しあい、高めあいながら真に愛される店づくりをめざす。年二回の強化月間を設け、本部のスーパーバイザーと各支部の委員とがすべての店をつぶさに見て歩き、優秀店舗、個人の優秀賞を決定、表彰して切磋琢磨するという制度も設けている③MQC委員会は店舗ごとにアルバイト・パートを含めたQCサークルをつくり、QC手法を活用しながら、商品、サービス、衛生清掃など店舗運営の質的向上を自主的にはかるための委員会である。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら