料理人のこだわりテクニック(26)「京風居酒屋割烹・楽庵」橋本祥司店主

2002.09.02 259号 10面

伊勢から仕入れた天然の魚の味に定評のある「京風居酒屋割烹・楽庵」。「料理をおいしく作るには、素材のおいしさが第一条件。安くておいしくない食材をおいしくするように工夫して出して、一部の人をごまかせたとしても、わかる人にはわかります。人間の作ったおいしさは、食材のおいしさには勝てませんから」と橋本店主。魚以外にも、例えば鶏肉は京都府の瑞穂町の地鶏に限定するなど、素材にはこだわる。

調理は素材の良さを引き出す役割というのが橋本店主の考え。「酢でしめる、焼く、蒸す、揚げる、そのまま生でもいい。素材にあった調理方法でおいしい料理を提供したい」。しかしそれに飽きたら創作もありだ。あんかけ料理が豊富なこの店では「いかめし九条ねぎあんかけ」など、素材を生かしつつ冒険を試みた料理も登場する。自家製のひろうすも好評だ。

時間のある時は庭や器を見て感性を磨くという橋本店主、「手が込んでいて、あか抜けした、世の中にない料理も出していきたい」。

◆京風居酒屋割烹・楽庵=京都市下京区綾小路東洞院東入神明町二四一‐一、電話075・352・5252

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