電化厨房最前線(15)「モリタ屋」東京丸の内店

2003.01.15 264号 25面

今、東京で一番の注目のスポットといえば丸の内・丸ビルだ。昨年9月にビジネスの場だけではなく、グルメ、ショッピング、エンターテインメントも提供する多目的ビルとしてリニューアルオープン。以来、休日にはエレベーター待ちの行列ができるほどの盛況ぶりだ。その35階にある肉料理「モリタ屋」では、電磁テーブルを使った焼き肉料理が好評だ。その使い勝手について聞いた。

創業明治2年、京都の肉料理の老舗モリタ屋「東京丸の内店」は丸ビル三五階にある。東京の街から富士山までが一望に見渡せる開放感ある大きな窓と京風の落ち着いた内装が調和した高級感あふれる店だ。

「電化の採用は、平成9年にジェイアール京都伊勢丹店をビルの一一階にオープンした時に、安全性の高さを評価して採用したのに続き二店目です」と語るのは営業統括取締役副社長の吉岡毅さん。

「丸ビル内は客席での裸火の使用は禁止なのです。でも電化なら問題なく客席での使用が許可されます」と電化の安全性と高層ビルへの出店での有利性を話す。

店にある二六のテーブルはすべて電磁調理器内蔵テーブルだ。この店の特別仕様で、漆塗りの光沢ある天板に違和感のない黒いセラミック製の調理器が組み込まれた高級感ある秀逸なデザインだ。

「電化はガスと違って静かなので、落ち着いた雰囲気が出ます。それに油煙があまりあがらないので、満席時でも店内の空気に清涼感がありますね」

店内にある照明には、白い和紙製の笠がつけられているが、油で汚れることがないという。電化は同店の伝統美と風情ある雰囲気に大きく貢献している。

「ガスに比べて立ち上がりが速いですね。底の厚さが二センチメートルある鉄鍋を二五〇度Cまで熱するのに約二分しかかかりません。それに鍋の温度調節が八段階に調節できるのも便利です」と電化の威力に満足そうな吉岡さんだ。

店は総席数九六席。メニューは、すき焼き、しゃぶしゃぶの各コース五〇〇〇円から、オイル焼きコース六五〇〇円から、ステーキ七〇〇〇円からのコース料理とランチ二八〇〇円からなど。いずれも予約が必要なほどの人気になっている。

◆店舗メモ

モリタ屋東京丸の内店/所在地=東京都千代田区丸の内二‐四‐一、JR東京駅丸の内南口丸の内ビルディング三五階、電話03・5220・0029/営業時間=ランチタイム・午前11時~午後3時(ラストオーダー午後2時)、ディナータイム・午後5時30分~11時(ラストオーダー9時)、日曜・祭日は午後10時まで(ラストオーダー9時)/使用機器=IHテーブル一φ二〇〇v二・五キロワット二六台、フライヤー一φ二〇〇v二・五キロワット三台/スタッフ=調理九人、サービス一一人(男性二人、女性九人)

◆現場からの声 吉岡毅副社長

電化は肉が焦げ付かず、おいしく焼けるのがよいですね。当店では、丹波にある直営牧場で有機飼料を与えて育てあげた牛の肉を使っています。肉の軟らかさとその色合いの良さには自信があります。

電化はその肉の本来の味をそこなうことなく、おいしく焼きあげることができます。それに安全性も高い。ヒーターのまわりが熱くならないので、お子供様連れのお客さまにも安心して食事を楽しんでいただけます。

それに拭くだけでテーブルのうえがきれいになるので片付けがはやく済むのもよいですね。

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