焼き肉特集:木曽路が新業態店「炭火焼肉・炎風」をオープン
中部地区最大手の外食チェーン(株)木曽路は、6月24日に「素材屋刈谷店」を業態転換し、新業態となる「炭火焼肉・炎風」をオープンさせた。
付近には外食チェーンが数多く立ち並び、同業態である焼き肉店もちらほらとあるロードサイド。その中にあって、外観はおしゃれな新感覚でこだわりの焼き肉店をイメージさせる。
店内は本物の木材やタイルを使用し温もりやくつろぎ感を演出したモダンで和みのある空間だ。照明も少し暗めに高級感あふれる演出で、実に落ち着く雰囲気である。
しかし、客単価は二八〇〇円と若い層でも十分に楽しめるようになっている。ファミリー客、カップルのほか小グループ用の個室、三〇人までの宴会席まで、客層や目的に合わせた客席を用意し、その場のシチュエーションにあわせて店長が接客するスタイル。
すでに出店している「じゃんじゃん亭」よりもワンランク上の業態で、サービス、器、コンセプトとも異なる。焼き肉は炭を使って七輪で焼き上げる。煙も上引きし、煙を見せることによってシズル感を醸し出す。木曽路ならではのノウハウを生かし焼き肉にも旬の演出をし、付加価値を高めている。
また肉だけではなく海鮮焼きでも生きている新鮮な素材を使い、通常の焼き肉店では食べることのできない本格的な韓国料理も提供する。
焼き肉を食べたあとにふと食べたくなるデザートも、炎風ではデザート専用の小さいメニューを用意し、一品ずつビジュアルで選ぶことができるようになっている。食事の後に気軽に注文する客も多いようだ。
デザートにはカフェ風のココナツプリンやタピオカココナツしるこなどが若者に大変好評である。変わり種としては韓国の伝統茶を用意しており、モガチャ(花梨茶)、テチュチャ(なつめ茶)なども飲める。メニューにそれぞれの効能も記されているので、ちょっとした健康対策の楽しみかたもある。
「BSE以降焼き肉消費は落ち込んだが、パワーが出る焼き肉はごちそうである。BSEのときはほとんどが風評であって、今は安心して食べられるものであるし、第二次、第三次ブームは必ず来ると思っている」と話すのは木曽路の土屋純一部長。
「おいしいものを食べたいという人の思いは変わらないと思う。しかし焼き肉一本だけでいいかと思った時、もっといろいろ食べたい気持ちをメニューにあらわした。それは韓国料理だったり海鮮であったりさまざまです。大切なのはやはり本物であり、旬のものを提供することだ。いままで焼き肉店には四季がなかったが私たちは焼き肉店にも四季を持ち込みたい」と意気込む。
この店をパイロット店として、近い将来には名古屋市内の中心地へも出店したいと考えている。
「外観のイメージで高級店と思われ敬遠され集客に不利になっている。さらに販促活動を積極的に行い、まず一度来店してもらうことが先決だ」(同)