電化厨房システム特集:企業ルポ・デニーズ千葉富士見店

2004.04.14 284号 3面

ファミリーレストランで手作りのピザの焼きたてが食べられる! 「デニーズ千葉富士見店」ではクールでクリーンなオール電化の利点を生かし客席中央にガラス張りのピザ焼き作業スペースを設けている。静かでクリーンな電化で、調理人がおいしく焼き上げるピザは、そのパフォーマンス性とあいまって目玉メニューとなっている。職場環境の改善策として電化を選んだという同社で電化採用のメリットを聞いた。

JR千葉駅東口から徒歩五分にあるデニーズ千葉富士見店は二〇〇二年12月にオープンした。

客席中央にある作業スペースで、調理人がピザを一枚一枚丁寧に練りはじめると客の視線が集中する。ピザを投げるパフォーマンスには歓声が上がり、大型のピザオーブンで焼き上がるそばから追加オーダーが入る人気ぶりだ。

「電化には快適な職場環境と食事空間を実現できる、調理の効率化が図れる、経費コストの削減ができるといったメリットがあります」と語るのは(株)デニーズジャパン企画室広報総括マネジャーの大江清彦さん。

「ガス併用の厨房は夏場、温度が四〇度C以上に上がってしまいます。働く人の負担や生鮮食材への影響を少なくしたいと考え、試行錯誤した結果、オール電化を選びました」

現在、この店の平均気温は夏でも二五~二六度Cに保たれている。ガス併用店に比べやけど事故も減った。

掃除も簡単なのでいつも厨房内が清潔に保てる、電源があれば調理器具をどこにでも置けるメリットも大きいという。

手作りピザのパフォーマンスはクールでクリーン、そうした電化ならではの特徴を生かしたアイデアだ。

同社の「お客さま第一主義」への貢献度も大きい。

「ガスは一度設定したラインを変えられません。電化はコンセントさえあれば、調理器具の移動が簡単にできます。売れ筋メニューの調理にあわせて調理器具を替えたり、数を増やしたり厨房内のレイアウトを簡単に変更できるのです。効率よく大量調理ができ、お客さまをお待たせすることなく料理を提供できます」

調理効率のアップはそのまま、コーヒーのサービスなどで来店客への「おもてなし」として還元できる。

調理上のメリットも見逃せない。

「天板の一部が熱せられるガスグリルバーナーは、場所によって温度が違う。食材を置く位置を経験で学んでいないと焼きムラが出てしまいます。電化グリル板は天板上が均一に熱せられるので、どこでも同じように焼けます。新人でも失敗がなく、おいしい料理が提供できます」

経費の削減効果も大きい。

「電化はこまめにスイッチを切れます。無駄なエネルギーを省けるのでガス併用店に比べると年間一〇〇万円以上のコスト削減になっています」

同社では千葉富士見店の成果を踏まえ、今後、オール電化採用店を増やしていくという。本年2月にはオール電化採用の「築地店」もオープンした。

●店舗メモ

デニーズ千葉富士見店(千葉市中央区富士見2‐7‐5、電話043・221・5270)営業時間=24時間営業、無休/席数=102席/使用機器=電磁調理器、電化グリル板、チャーブロイヤー、コンベクションオーブン、パスタボイラー、フライヤー、ピザオーブン、ほか

●ここがすごい! (株)デニーズジャパン企画室広報総括マネジャー・大江清彦さん

デニーズでの電化の取り組みの開始は、IYグループの環境問題への取り組みの一環でもあります。電化はCO2の排出が少なく、環境にやさしいイメージがあります。選び抜いた良質な食材を使い、素材の味わいを最大限に引き出した料理と洗練されたサービスと、お客さまにくつろげる空間を提供するデニーズには、まさに最適な厨房システムだといえるでしょう。

●機器紹介:高温電気式本格石床オーブンTJ-G8

庫内温度四〇〇度C設定対応。上火、下火を個別に強・中・弱・OFFの四段階に調節ができるので、料理に合わせて最適な温度で焼き上げることができる。厚さ三〇ミリメートル、継ぎ目のない一枚物石床で熱伝導率、蓄熱性抜群。大量かつ、連続焼成に優れた威力を発揮する。七インチ(一八センチメートル)ピザ二〇枚、一四インチ(三五センチメートル)でも六枚焼成可能なワイドスペース。排気のための大型ダンパー付き。

◆外形寸法=間口一四〇〇×奥行き一〇三〇×高さ四〇〇(ミリメートル)、扉ハンドル一〇〇ミリメートル含む/石床寸法=間口一〇二〇×奥行き七六〇×高さ三〇(ミリメートル)、一枚物石床/消費電力=八kw ▽問い合わせ先=(株)トロナジャパン首都圏支店(東京都江東区、電話03・5620・1075)

*デニーズ千葉富士見店採用のものとは異なります。

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