関西版:土に戻る“トレー” 関心集める北原産業の「ピュア・フォーム」
自然素材だけを原料にして、完全に土に戻るトレーが、弁当や惣菜産業で注目されてきている。
(株)北原産業(岡山県倉敷市、電話086・526・3040)が総販売代理店として今年3月に新発売した「PURE FORM(ピュア・フォーム)」は、熱帯地域で栽培されるキャッサバという植物からとれるタピオカでんぷんが原料。(1)焼却過程で有毒ガスを発生しない(2)埋めても完全に土に戻る(3)焼却ゴミや生ゴミと一緒に堆肥化できるなど、環境にやさしい点が、弁当産業はもとより、量販店や官公庁から評価されるとともに、イベント会場などで使用されるトレーとしても注目されている。
従来のでんぷん容器に比べ耐久性を大きく進化させたのも特徴。特に従来品のウイークポイントであった耐水性を大幅に向上させた。でんぷん製のフィルムで内側をラミネートしたことで水や油が通りにくくした。また、割れにくい、耐寒・耐熱に強い(マイナス四〇度C~二二〇度C、電子レンジ・オーブン可)のが特徴である。
さらにPURE FORMは、原料のキャッサバを植林することが、地球温暖化の原因となっているCO2の削減に役立つ。約一年で収穫できる成長の早い植物で、収穫後に再度茎を挿し木にできるので、基本的にゴミ問題が発生しない。
同社では、環境問題に取り組む中食産業や小売業、ゴミ問題をかかえる地方自治体、プラスチックトレーの使用が認められていない万博など、イベント会場を対象に販売を進めていく方針。
価格は、同社のプラスチックソリッド比約一・五倍、紙ボックスの中仕切だけの場合で約一・二倍(ともに同社製品比)。品質は、SGS(独)および、日本食品分析センターの分解試験クリア。仕上がりは、型再現性で、天然色素の印刷や着色も可能。