飲食店における最新カレー事情 フェアで集客力アップ

1993.06.21 30号 14面

今年の夏もファミリーレストラン(FR)、ホテルなどでいろいろなカレーフェアが催される。感触としてはFRでは昨年に比べてカレーメニューが戦力からはずされるところも見られる。しかし、ホテルではビュッフェ等、カレーで集客力アップを図るところが出てきているのが特徴かと思われる。

〈FR〉ココスはこの夏も7月1日から9月8日までカレーフェアとしてチキンカレー八八〇円、タイ風エビカレー九八〇円、和風カツカレー九八〇円(セット料金プラス四〇〇円でサラダ・アイスミルクティ・赤肉メロンが付く)の三品を提供する。今年でフェア三年目となる。

ロイヤルホストもまだメニューは出揃っていないが、例年通り7月中旬から8月いっぱいの予定で一一年目を迎えるフェアを開催。昨年はタイ風でグリーンエビカレー一三〇〇円(激辛)、レッドビーフカレー一二〇〇円(大辛)、イエローチキンカレー一二〇〇円(辛口)、ホワイトベジタブルカレー一〇〇〇円(甘口)が行われた。現在、グランドメニューには英国風ビーフカレー八八〇円、ジャワカレー八三〇円、マハラジャビーフカレー九三〇円がはいっている。

一方、昨年チキンカレー、ビーフカレー、カツカレーで夏のカレーを提供したディニーズジャパンはグランドメニューにチキンとビーフが入っていることからフェアとしては行わない。すかいらーくも“夏のおいしさ”フェアの中にパエリア、スパゲティ、ピザ、冷しうどんなどと同じく一品として南欧チキンカレーが入り、例年通りカレーで勝負はしない方針である。

〈ホテル〉ホテルオークラ(虎ノ門)のスパゲティやサンドイッチなどの軽食を提供しているカメリアコーナーでは今年も一五年以上続いているカレーウィークを8月23日から31日まで行う。メニューは各種きのこ入カレー、チキンの唐揚げカレー風味インディアンライス、魚介類のカレーグラタン、仔羊のグリルスパイシーカレーソース、伊勢えびのカレー、骨付きショートリブのカレー煮込みで二〇〇〇~三二〇〇円。毎年好評を博している。

東京プリンスホテルの「プリンスビラ」では4月からカレーブッフェを初めての試みとして行っているが、好評につき、6月までの予定を8月まで延長することにした。カレーはドライカレー、仔羊肉と野菜の入ったスパイシーなインドカレー、まろやかな英国風カレー、お袋の味がする田舎風カレー、ハヤシライスで、6月1日からドライカレーがカレー風味のミートコロッケに変更。期間中、メニューをメンテナンスしながら集客を確保していく。客のイメージアップで初めた同フェアは狙いが的中し、ランチ客が一・五倍に増えた。特に女性客のとり込みに成功し、従来の八対二の男女比が六対四になっている。一日に登場したカレー風味のミートコロッケは食べると口の中にとろりとカレーがとける。

東京ベイヒルトンのインド料理店「チャンドュー」ではカレーブッフュを始めて三年目を迎え、東京ディズニーランドに隣接した立地から若者からファミリーまで幅広くファンを集めている。ランチカレーは日替わりでラムカレー、チキンカレー、ベジタブルカレーなど三種、ディナーは一から二種追加。これにスープ一種、サラダ一〇種、タンドリーチキン、ラム料理などの肉料理が日替わりで二~三種、デザート五~六種。

ランチ戦争の激しいオフィス街のビジネスマンやOL達に好評なのが一四〇〇円の新宿は東京ヒルトンホテル、「セントジョージバー」のカレーブッフェ。初めて五年がたち、当初男性利用が多かったが、口こみで最近は女性利用も増えてきた。カレーは日替りで、インド風・マレー風・ハワイ風、甘口・辛口、具材はビーフ・ポーク・チキン・ラム・野菜・シーフードなどを組み合わせて一日六種を提供、四サイクルさせている。これにサラダ一〇種、ごはん類は白飯とカレーピラフで一四〇〇円。コーヒー、紅茶、コカコーラなどの飲料とのセットで一八〇〇円となっている。

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