いまサメ肉がおもしろい! 廃棄物規制で安価大量出荷、ヘルシーで好評
いままで味わったことのない新鮮なサメ肉が、安価で大量に流通する可能性が出てきた。フカヒレ目的のサメ漁を禁じるワシントン条約(廃棄物規制)の影響によるものだとか。だがこのサメ肉、意外にも“おいしくヘルシー”と好評なのである。
サメ肉といえば、すり身原料が真っ先に思い浮かぶ。サメ肉は漁獲後、独特なアンモニア臭を発するため、肉自体が商品として流通することは少ない。近海漁獲されるサメのほとんどは、すり身原料と化している。
今回注目されているサメ肉は、遠洋マグロ漁でマグロに混じって漁獲されたもの。フカヒレだけを取って身肉を捨てていたマグロ船が、条約規制により持ち帰りを余儀なくされたサメ肉、いわば厄介物である。
ところがこの厄介物、マグロ同様に超低温冷凍で船内凍結されて出荷されるため、アンモニア臭は皆無。新鮮かつ高品質なサメ肉が味わえるというのである。マグロ船にとっては、すり身市場でタタキ売りするよりも、「少しでも高く売って燃料費の足しにしたい」という思惑もある。
「おいしく使いやすく、何より低コスト。中華街の飯店では、すでにブームになりつつある」と絶賛するのは中国料理店「新世界菜館」(東京都千代田区)の傳健興店主。「高タンパク、低脂肪、低カロリーで健康志向にも最適」とし、このほど自身が経営する食材商社・(株)健興通商でも、このサメ肉を活用した冷凍油調食材を開発した。
「シャークナゲット」「フィッシュバーグ」「フカの竜田揚げ」を新発売したところ、居酒屋、惣菜、給食から引き合いが相次いでいるとか。
ちなみにサメの年間世界漁獲高は約60万t。マグロは約190万t。サメの漁獲はほとんどがフカヒレ目的だという。
▽問い合わせ=(株)健興通商(東京都千代田区、電話03・3288・3321)