回転寿司 アトムボーイ、全国に200店、年商も200億円

1993.12.06 41号 15面

鉄腕アトムをストアキャラクターにした「アトムボーイ」(東京総本部‐千代田区五番町)は、ロードサイド立地でファミリーレストランタイプの回転ずしショップを展開している。

店舗面積四〇坪。商圏人口三万人を目安にした出店戦略で、月間八〇〇万円を平均的売上げラインとしている。商品はにぎりが主体で、サイドメニューを含めて四〇種。価格は一二〇円、一五〇円、二〇〇円、三〇〇円の四種で、客の好みやフトコロ具合によって、メニューが選択できるという営業システムになっている。

客単価は地域によって異なってくるが、平均的にみれば一〇〇〇~一二〇〇円前後。東京進出の第一号店である調布店の場合は一四〇〇円で、これはすかいらーくやデニーズ並みの消費単価だ。

調布店はFC店で九一年7月にオープン。ロードサイド出店で一階がダイエーローソン、二階がすしアトムというフロア構成で、店舗面積はバックヤードを含めて五〇坪、客席数四三席。客席はカウンター席に加えて六人掛テーブル五卓を設けてあり、ファミリー客やグループ客を収容できるよう工夫している。

テーブル席は落ち着いて食事を楽しませることができ、その分客単価が引き上がる。しかし、これもバランスの問題で、テーブル席を多くすると店全体の回転が落ちるという結果にもなる。

客層は平日(昼)がサラリーマン、夜および土日はファミリー客が主体になる。昼一・二~二回転、夜三回転。固定客六、七割で、標準ラインの月商八〇〇万円を十分にクリアしている。

この店の売りはハマチ、タイ、ヒラメ、ウニなど単独で鮮魚の仕入れができていることで、この材料のフレッシュさが来店動機を大きく喚起し、固定客づくりを成功させている要素でもある。

アトム調布店は東日本地区のエリアフランチャイザー、名古屋㈱アトム(本社・名古屋市)のFC店だが、東京地区では一店のみの出店であるので、デリバリーの効率面から冷凍マグロなどを除いては、例外的に単独仕入れを認めているわけだ。

アトムのFC展開は東日本と西日本を分けて、それぞれの地区本部が推進している。現在の出店数は両者合わせて直営九五店、FC一〇六店の計二〇一店(年商約二〇〇億円)。

FC加盟の条件は申込み金二〇万円、イニシアルペイ三〇〇万円、ロイヤリティ三%、広告費一%。

回転ずしのほかには、三年前からテイクアウトとケータリングをワンセットにした「京寿司・都人」のチェーン展開もおこない現在西日本(京都、大阪)を中心に二三店舗(直営)を出店している。

アトムの新業態というわけだが、ノウハウの蓄積を待って、九四年からFC展開に踏切る考えだ。

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