ニッスイも専門店の使用に耐え得る本格的手づくり感のある商品とイージーオペレーションの商品づくりをすすめている。

本格的手づくり感のある商品の代表例が「えび天ぷら」である。天ぷら専門店の職人の作業手順をビデオにとり、専門店と同じ水準の味、仕上がりになるように生産設備を開発したもので、専門店で食べる天ぷらが揚げた直後、針状の衣になっていると同じ状態を再現している。天ぷら一品として使用でき、手づくり感のある本格的な天ぷらとなっている。

イージークッキング、イージーオペレーションの代表例が九二年秋から導入した「かき揚げ」類である。「赤えび・いかかき揚げ」「高級えび・いかかき揚げ」「えび・いかかき揚げ」「やさいかき揚げ」などの商品があり、簡単に油で一～二分揚げて仕上がるプレフライ加工商品と解凍するだけで仕上がる調理済みの二タイプの商品がある。うどん・そばチェーン店やドライブインなどの短時間で大量に提供する業態に最適の商品となっている。

かき揚げと並んでニッスイが提案に力を入れているのがファストフード向け商品である。ファストフードショップの厨房の主な調理機器は、電子レンジ、フライヤー、ゆで麺機、ガス台などであり、これらの機器を一〇〇％活用して、簡単に調理を行うことが効率化の一歩となるが、ニッスイはだれが調理してもスムーズに、均一にサーブできる商品を用意している。「焼きおにぎり」「てりやきバーガー」「チキン唐揚げ」「たこ焼」などの商品で、いずれの商品にも調理方法と調理時間が表示してあり、ひと目でわかる。

「焼きおにぎり」の場合は、電子レンジ一分間、「オムライス」の場合は電子レンジ一分三〇秒というようにマークが入っている。

また、手づくり感のあるファストフードが手軽にテイクアウトできるように、ラップ、パッケージ、スナックカートンなどの包材の提案、提供まで行っており、メニューづくりの細かなサポートまでしている。

人手不足、食材の仕入れの問題、調理方法の問題など、ファストフード経営の悩みに対応した商品、サービスの提供をしている。