お店招待席:「ブラッセリー六三郎」和食をもっとパワフルに
「銀座・ろくさん亭」に次ぐ店にブラッセリーとつけたのは世界の食材を自由に使って外国慣れした若い人にもパワフルな和食をカジュアルに楽しんで欲しいという願いから。「日本の若い人は世界の料理を食べつくしていて、和の魚と野菜だけでは料理が弱い。まして、客を動員している繁盛店はチャイナやイタリア料理に多い。多種多様な食材が豊富に世界から日本に入っている今、それを拒むことはない。世界の食材を世界のテクニックを駆使して和でまとめたのがブラッセリー六三郎の料理。割烹のろくさん亭では食材からして納まらず、新店で思いきり和の新境地をカジュアルに試してみたかった」と道場さんの地球規模の料理を味わえる。
はちの巣、牛肉、羊、バルサミコ、フカヒレ、魚醤、なんでも利用する。メニューはランチが三〇〇〇円、六〇〇〇円の二コース。ディナーは八〇〇〇円のコースのみ。ディナーの献立は先附からデザートの水菓子まで一〇品。先付は牛乳豆腐、前菜は崩し豆腐の中華五味八珍、煮物はフカヒレ茶碗、強肴は近江牛炙り、御椀はすっぽん万頭、他蒸物、差味、焼物、水菓子の胡麻シャーベット、あづきゼリーと続く。
店内はワンフロア一〇〇坪、一〇七席。入り口入ってすぐ右にバーラウンジがあり、ウェイティングバー機能を持つ。店内で目を引くのはやはりオープンキッチン。和に洋の厨房を取り込んだ。「火を見せたりして香港市場のような雰囲気を演出したかった」ことから導入したもの。「調理人は板前であると同時にギャルソンでなければならない」というサービス精神からこれまで見せることのなかったプロの厨房を解禁。店内のみならず、通りに面して店の正面左に九台のテレビを設置し、通行人にもPRするという徹底ぶり。店舗はそのまま広告塔の役割を果たす。外壁は全てガラス張り。通行人からは店内がよく見えるし、店内からも赤坂の街の風物がよく見える。
もう一つ目を引くのはキッチンのななめ上のテレビ。カラオケかと思いきや、なんと、道場さんのメッセージ装置。「お客さんへの一番のサービスは私がカウンターにいること。しかし、それはむずかしいので、私のメッセージを託したり、「鉄人」のビデオを流したりしたい。テレビで料理教室もできます」と従来のレストランのきどったワクをこえ、コミュニケーションを大事にしている。レストラン利用だけでなく、希望があれば料理教室にもレストランまるごと提供することも可能という。
料理のみならず、レストランそのものも縦横無尽な発想で展開する。今、計画中なのは“おみやげ”。来店客から六三郎グッズをおみやげに持ち帰りたいという声が多いのだそうだ。メニューにサインしたものや、もしかしたら六三郎人形も出来るかもしれない。オープン早々、週末は7時には満席で予約なしには入れない状態である。(F)
千代田線赤坂駅から一、二分、丸の内線・銀座線赤坂見附からも五、六分。みすじ通りに面したプラザ・ミカドの一階に6月27日オープンした。
近隣には赤坂東急、赤坂プリンス、ニューオータニ、キャピトル東急などホテルが多く外国からの来賓や地方からの客も見込める。オーナーシェフの道場六三郎氏はフジテレビ「料理の鉄人」でおなじみ、和食の鉄人だ。同ビル地階には中華の鉄人周富徳氏の「璃宮」があり、文字通り、赤坂での鉄人対決となる。