本紙・優秀ヒット賞(業務用部門)にニチレイ「パリパリの春巻」

1995.02.20 70号 24面

日本食糧新聞社主催による平成6年度食品ヒット大賞の優秀ヒット賞・業務用部門に(株)ニチレイの「パリパリの春巻」(冷凍食品)が選ばれた。同社は平成5年度も「棒ヒレカツ」(同)が選ばれており二年連続の受賞。「パリパリの春巻」は昨年の3月発売以来、揚げた後のパリパリ感が変わらないなど技術に裏付けられた“差別化”商品としてデパート、スーパーなどの惣菜コーナー、事業所給食、それに居酒屋、中華料理店などを中心に爆発的な売れゆきを見せた。そこで、今回は同社の冷凍食品に対する取組み、同製品に対する商品特徴などについて紹介する。

調理方法は、製品を凍ったまま約一八〇度Cの油で四分間揚げるだけで供食でき、しかも揚げた後トレーなどに入れておき、五時間経っても揚げたてのパリパリ感が保たれているという新技術、新製法で製品化に成功したものである。

荷姿は、一本三五g、六〇個入り、2合わせ。発売開始は平成6年3月、年間出荷額は市場価格ベースで三〇億円を見込んでいる。

業務用食品として今回も冷凍食品が選定された。中華料理は根強い人気に支えられており、冷凍食品の点心類は、近年、静かなブームともなって、堅実に需要を伸ばしている。とりわけ、春巻は総生産量が二万tで、シュウマイに続く中華アイテムに成長している。春巻の醍醐味はパリッとした皮の食感が生命の一つである。この揚げ立ての皮のパリパリ感を長時間(約五時間)保持するという画期的な新商品が本品である。

製品のもう一つの生命である味について、具は肉や野菜をごま油とオイスターソースで味付けし、本格的な中華春巻に仕上げている。

ニチレイは、冷凍食品のトップメーカーとして、商品開発を積極的に行っているが、業務用食品での長い歴史と経験があり、同社は平成5年度に引き続き、優秀ヒット賞に輝いている。その前年の平成4年度にも、レトルト食品「もつ鍋」が受賞しており、三年連続、しかも今回は家庭用とのダブル受賞という快挙となった。

ニチレイの業務用冷食のアイテムは多彩であり、このうち、中華類をみると、パリパリの春巻のほか、肉まんじゅう、あんまんじゅう、えび餃子、小篭包、湯葉巻、二色焼売、えび大焼売、焼売、ミニ春巻、焼用餃子、揚げ用餃子、いかだんご、チンジャオロース、かに玉セット、チャーハン、中華めんなどがある。

取扱い販売者の話では、パリパリの春巻について、品質的に優れている(名給)。本格的な春巻、女性に人気(杉野商事)。時間が経ってもパリッとしておいしい(みやぎ生協)。名前の通り、従来品に比べて衣がパリッとしている。価格もリーズナブル(定鉄商事)。パリッとした食感が長続きすることにより、新しい路線が広がった(トーホー)などと評価されている。

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