急浮上する21世紀型チキン料理・ロテサリー 日本KFC「ハーベスタ」
日本ケンタッキー・フライド・チキン(株)(東京都渋谷区、03・3719・0231)は昨年暮れに新しい食のマーケット(成熟マーケット)への挑戦として(1)ノンフライ・マーケットの獲得(2)経済性が高く、働く人にも優しい店舗の開発(3)イートインニーズの高いマーケットへの出店を目的にゴールドチキン(直火焼きチキン)、ピタサラダサンド、フレッシュデリを主力商品に商品を直接みて選べるカフェテリア方式の「ハーベスター」の本格的な展開に乗り出した。
KFCの第二世代に対する店というコンセプトもある。ロテサリーチキンの味の秘訣は下拵えにありインジェクション方式を採用、輸入工場で外側から圧力をかけて味を瞬時にしみこませ、チルドで店舗に納入、九〇分以上かけてローストする。油分でおおわれているフライドチキンに比べると直接空気にチキンが触れているために冷めた後の劣化が激しい。これを解決するために、同社では外側から強制的に調味料を送り込むことにより水分蒸発の比率を少なくしている。
同社ではノンフライマーケットは大きいとみているが急激にはこないと分析している。よって、当初の出店予定を緩やか路線に変更、いい物件、いい立地があったら出店するというようにした。ノンフライ市場を流行に終わらせずに育てたいという意向だ。
ハーベスターのもう一つの試みはホームチキンである。食材にこだわり、店舗で手作りした商品を提供することで健康的な新しい食のあり方を提案しようというもの。少量多品種ニーズにも対応するメニュー構成になっている。
神奈川県・日吉店はKFCからの転換店である。売上げは少し減となっているもののイートイン比率は高くなっており、最近はリピートが増えてセールスを戻しつつある。客単価は約一〇〇〇円。売れ筋はチキン、野菜パン、本日のデリと本日のデザートのランチメニュー六五〇円などのセットメニューが多い。単品でのゴールドチキン四分の一羽二八〇円、一羽一一〇〇円もよく出る。