日常飲料として定着した“無糖茶飲料” サントリー広報部アンケートから

1995.12.04 90号 8面

無糖茶飲料(ウーロン茶、日本茶、ブレンド茶など)の人気が定着しつつあるなか、こうした無糖茶飲料がどのように飲まれ、またどのようなイメージでユーザーに受け入れられているのかなどを探ったアンケート結果がまとまった。アンケートはサントリー(株)東京広報部(東京都港区、03・3470・1104)がこのほど、東京近郊在住の一二~三九歳の男女合わせて一〇〇三人(男性五二六人、女性四七七人)を対象に行ったもの。それによると、無糖茶飲料は清涼飲料市場の第三位のシェアを占めており、この八年間で約五倍の規模にまで成長した。ウーロン茶は「ほとんど毎日飲む」という常飲層が三〇%以上。「ウーロン茶」は性別・年齢層にかかわらずトップの支持を得ている。無糖茶飲料のイメージは「ノンカロリーなので安心」「身体に良い」「話題になっている」など。無糖茶飲料の飲み方は「一気に飲む」「ごはんと合わせる」という回答結果が揃った。結果をまとめると、無糖茶飲料は「自然」「健康」志向の流れを受け、確固たる市場を形成し“生活の中の飲料”としての地位を得ている。なかでも「ウーロン茶」は幅広い年齢層やシチュエーションに受け入れられており、無糖茶飲料市場の安定基盤と化している。無糖茶飲料は日常的飲料として定着、とくに「ウーロン茶」は“国民的な飲料”としての地位を確立したといえそうだ。

一九八七年から九五年までの八年間で、清涼飲料市場は一・五倍の規模に成長している。

そのなかで無糖茶飲料のシェアは、八七年の四%から九五年末には一九%と約五倍の規模にまで成長し、炭酸飲料、コーヒー飲料に次ぐ三番目のジャンルとなった。また、他のジャンルの動きについては、炭酸飲料はほぼ横ばいに推移しており、果実飲料は一割強ほどの減少傾向が見られる。コーヒー飲料は総市場とほぼ同じペースで順調な成長を続けている(図1=推定)。

ここ五年間の無糖茶飲料市場は約一億ケースから二億ケース強と、約二倍の規模に成長している。そのなかの動きを見ると、九二年まで二桁成長を続けてきた「ウーロン茶」は九三年以降はゆるやかな右肩上がりを見せている。

一方、九三年から九五年にかけて、麦茶、ハト麦茶、ハーブティーなどをベースとしたブレンド茶をはじめとする「その他無糖茶」と「日本茶」が急成長している。「ウーロン茶」の定着と新タイプの無糖茶飲料の登場で、無糖茶飲料市場はさらに広がっている(図2)。

「ウーロン茶」「日本茶」「その他無糖茶」について、それぞれの飲用頻度を比較してみると、「ほとんど毎日飲んでいる」というヘビーユーザー層は「ウーロン茶」が三二%、「日本茶」が一〇%、「その他無糖茶」が一六%であり、「よく飲む」というミドルユーザー層は「ウーロン茶」が三九%、「日本茶」が三五%、「その他無糖茶飲料」が四四%となっている。ヘビー・ミドル両ユーザー層を合わせると、「ウーロン茶」が七〇%、「日本茶」が四〇%、「その他無糖茶」が六〇%となり、無糖茶飲料は“生活のなかの飲料”として定着したことが伺える。なかでも「ウーロン茶」は生活に欠かせない飲料のようだ(図3)。

無糖茶飲料の飲用意向を見ると、「飲みたい」「やや飲みたい」を合わせた数字は、いずれのカテゴリーも四〇%を超えている。なかでも「ウーロン茶」は「飲みたい」が五六%と極めて高く、「やや飲みたい」(二〇%)を合わせた飲用意向は七六%と、「日本茶」の四五%、「その他無糖茶」の五六%を大きく上回っている。世代別、年齢別に見ると、「ウーロン茶」はすべての層で「飲みたい」という意向が高く、性別、年齢にかかわらない安定的な幅広い支持が伺える。また、「日本茶」「その他無糖茶」への支持は男性に比べ女性の方がやや高く、とくに二〇~二四歳の女性の飲用意向は極めて高い(図4=9面・図5)。

女性に対して無糖茶飲料について飲み方のイメージを、項目をあげて聞いたところ、女性で最も多かったのは「ウーロン茶」では「ごくごく一気に飲める」(七三%)、「日本茶」では「ごはんに合う」(六四%)、「その他無糖茶」では「ゆっくり味わいながら飲む」(三七%)だった。「ウーロン茶」は二、三位の「食事に限らずどんな時も合う」(七二%)、「どんな食事にも合う」(六七%)をはじめ全体的にポイントが高く、日常飲料として定着していることが分かる(図8)。

男性に対し無糖茶飲料について飲み方のイメージを項目をあげて聞いたところ、最も多かったのは女性同様に「ウーロン茶」では「ごくごく一気に飲める」(七三%)、「日本茶」では「ごはんに合う」(六七%)、「その他無糖茶」では「ゆっくり味わいながら飲む」(二九%)だった。

男性でも「ウーロン茶」は二、三位に「食事に限らずどんな時にも合う」(七三%)、「どんな食事にも合う」(六三%)をあげており、男性の間においても「ウーロン茶」は日常飲料としてすっかり定着していることが分かる(図9)。

女性に対し無糖茶飲料についての味のイメージを、項目をあげて聞いたところ、「ウーロン茶」は「飲み慣れている」(八四%)、「ノンカロリーなので安心」(八一%)、「親しみのある」(七四%)などの項目で他を大きく引き離しており、「ウーロン茶」が“日常的飲料”であると認識されていることがはっきりと分かる。

また、「その他無糖茶」の「身体に良い」(七八%)、「話題になっている」(七〇%)は他の無糖茶を大きく引き離しており、最近続々と登場する「その他無糖茶」の話題性の高さを伺える。

これらの無糖茶は、ほとんどがノンカロリーだが、「ノンカロリーなので安心」というイメージがあげられたのは「ウーロン茶」が八四%であるのに対し「日本茶」は五八%、「その他無糖茶」は五九%となっている。

カロリーを気にする女性の間では“ウーロン茶=ノンカロリー”という意識がかなり高いようだ(図6)。

男性に対して無糖茶飲料について味のイメージを、項目をあげて聞いたところ、最も多かったのは「ウーロン茶」では「飲み慣れている」(八〇%)、「ノンカロリーなので安心」(七一%)、「親しみのある」(六七%)と女性と同じような結果となった。男性の間でも「ウーロン茶」が日常的飲料であることが伺える。

また、「その他無糖茶」の「身体に良い」(六八%)、「話題になっている」(六一%)も女性と同じように他の無糖茶に比べて高くなっているが、「親しみのある」(一一%)、「自分たち向けの」(三〇%)というイメージは、男性の場合は低くなっている(図7)。

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