オリーブオイル特集 オリーブの歴史 「豊饒」「力」の象徴に
オリーブの木の栽培の歴史は紀元前三〇〇〇~二〇〇〇年に地中海東方のフェニキアやパレスチナ地方で始まったといわれている。ダビデ王が法の下にオリーブを保護していたことが記録に残されている。度重なる民族の移動や交流、それに伴う新しい領土の発見や征服、交易で、エーゲ海岸一帯、ギリシャからシチリア島、イタリア半島、北アフリカ沿岸地方、南仏、スペインの各地へとオリーブ栽培は広範に拡大した。
古代ギリシャ・ローマ文化圏では、オリーブオイルは食用、灯火、医薬、化粧品、神秘的祭儀に使用されるため、第一級の生活必需品とされた。またオリーブの木は果物からとる油が食用になることから「豊饒」「力」の象徴となってきた。古代ギリシャではオリーブは知恵と学芸を司る女神アテナの木とされた。旧約聖書でもノアの洪水後、ハトがくわえてきたオリーブの枝は平和の象徴とされている。