ローソン、「レジロボ」効果実証 180億円コスト削減可能に

2017.09.04 463号 23面

 ローソンは、17年2月に「ローソン パナソニック前店」(大阪府守口市)で、電子タグ(RFID)対応の完全自動セルフレジ「レジロボ」の実証実験を行った。会計時間は最短25秒、来店客の25.7%が利用、利用客の67%が満足という結果が得られた。

 慶應義塾大学と流通システム開発センターが6日に開催した「第13回EPC RFIDフォーラム」の講演で明らかにしたもので、「試算ではRFID対応レジロボで全店合計年間約180億円コスト削減できる」(白石卓也ローソン執行役員オープンイノベーションセンター長兼経営戦略本部副本部長)と述べた。

 同社はレジ業務の効率化・省力化を目指し、16年12月にレジロボの実証実験を開始。顧客が買い上げ商品のバーコードをスキャニングし、専用カゴごとレジロボに置くと精算・袋詰めを自動で行う。17年2月の実証実験では取り扱い商品ほぼ全品に電子タグを店内手作業で貼付し、スキャニングを不要にした。カウンターFFや専用カゴに入りきらない大型商品は電子タグカードで対応した。

 実験結果は、客数が話題性もあり26%増、買い上げ点数3.10(有人レジ2.63)、会計所要時間は電子マネーや現金など精算方法で差があるが25~50秒、利用率25.7%、電子タグ読み取り率97.9%になった。

 利用客調査で67%が満足、87%が次回も利用したいと答えた。また、専用リーダーを使った棚卸業務は、従来の手作業に比べ10分の1に時間が短縮できた。

 18年にはカテゴリーを限定し、協力メーカー段階で電子タグを貼付、卸売業も巻き込んだ実証実験を行う予定だ。

 メーカーは個品単位のトレーサビリティー、卸は棚卸や配送の効率化、店舗はレジ業務効率化や賞味期限管理徹底などの効果が期待できる。

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