テイクアウトサービス最前線(6)多くの店の協力が外食における中食熟成に不可欠

2018.05.07 471号 10面

 「近所の店はテイクアウトナビ、やっていませんよね?」

 いろいろな地域の飲食店に営業をしていると、頻繁に聞かれる質問だ。背景としては、コンビニの数よりも圧倒的に多い、飲食店の過当競争から生じる意識であることが推察される。全国・約52万店のうち年間3万6000店は入れ替わるという廃業率を鑑みると、ごく自然な意識なのだろう。

 しかし、中食市場に関してはどうだろうか。テイクアウトナビは飲食店の「事前注文プラットフォームアプリ」であるが、ユーザーからすると「1店のみではなく、いろいろな店の料理をテイクアウトできることがうれしい」という声も聞く。つまり、それぞれの地域においてバラエティーに富むテイクアウトを選択できることが重要なのである。

 考えてみてほしい。どんなに特定の店が好きである客であっても、毎日同じ店の料理を食べるということは現実的ではない。いろいろな店の料理を楽しみ、その中でお気に入りが集約されていくのが自然だ。

 飲食店の方にぜひ考えていただきたいのは、これだけ中食市場が発展している中で、そのけん引役がコンビニとスーパーに限定されていることである。中食市場を取り込んでいこうと目指している飲食店が多い中で、本当にライバルは隣の飲食店なのであろうか?

 (テイクアウトナビ(株)代表取締役社長 加地倫文)

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