多忙でも読める外食ニュース
●ゼンショーHD、ジョリーP子会社化
ゼンショーホールディングスが、同社の連結子会社であったジョリーパスタを完全子会社とする株式交換契約を締結した。株式交換の効力が発効するのは今年8月1日の予定で、それに先立ち、ジョリーパスタは7月30日付で株式の上場を廃止することになる。外食業界において厳しい経営環境が続く中で、「経営資源の有効活用、重複する業務の集約化、利益相反関係の排除などを可能とする経営体制を検討した結果」であると、完全子会社化の理由を発表している。
解説=ジョリーパスタは、1971年にサンデーサンとして設立。FRの「サンデーサン」とパスタの「ジョリーパスタ」を主力に展開していたが、2007年にゼンショー(当時)が株式公開買付けにより傘下に収めた。
●今年も外食企業運営のビアガーデンが多数
今年もビアガーデンのシーズンが訪れ、外食企業が運営する趣向を凝らしたビアガーデンが次々とオープンし始めた。ソルト・コンソーシアムが松屋銀座の「美しくなるビアガーデン」、カフェのエスエルディーは東急東横店の「kawara GARADEN」、パートナーズダイニングは名古屋・名鉄グランドホテルにてバーベキュー方式で、キープ・ウィルダイニングは恒例となった東京・町田の商業施設「モディ」で運営。ゼットンは熊本、仙台、池袋のパルコでバーベキュービアガーデンを運営する。
解説=昭和から平成にかけて減少していたビアガーデンが、この5年ほどの間に人気を取り戻している。人気の高い飲食店を展開する外食企業に運営を委託する商業施設なども多く、フードやドリンクのレベルアップが奏功している。
●ブルーボトルコーヒー初のコンセプトショップ
ブルーボトルコーヒージャパンは、東京・渋谷区の商業施設「Q’s spot DAIKANYAMA」に期間限定のコンセプトショップをオープンした。営業期間は6ヵ月間で、オープン時には同社の他店に1週間ほど先駆けてカフェインレスコーヒー(ディカフェ)を提供。これは、化学物質を使用せずにカフェインを取り除く「スイスウォーターメソッド(スイス式水抽出方法)」を採用したもの。同店の空間デザインは、これまで同ブランドの店舗を手掛けてきたスキーマ建築計画の長坂常氏が設計した。
解説=ブルーボトルコーヒーは2002年に米カリフォルニアで創業。現在、米国と日本に約70店舗を展開する。日本には15年に初上陸し、この4月に東京・丸の内に出店した小型店を含めて13店舗を出店している。
●銀座ロフトが改装、初のフード売場導入
生活雑貨の専門店「ロフト」を展開するロフトが、旗艦店である「銀座ロフト」を増床し大規模なリニューアルを実施。従来、建物の3階から6階に展開していた売場に加えて1階と2階部分を追加。初めて「食」の分野を取り入れて合計6フロアの大型店となった。1階には初の試みとしてカフェ&フードの売場を設置。「ロフトフードラボ」と名付けたカフェやベーカリー、ジェラート売場のほか、食と関連ある雑貨などを食品と組み合わせて販売するギフト売場といったトレンド性の高い提案をする。
解説=ロフトは1987年の創業であり、「銀座ロフト」は創業30周年となる2017年にオープンした同社の次世代型旗艦店だ。同じ銀座に無印良品の大型新店舗がオープンし、競合であるロフトも大規模なリニューアルに踏み切った。
●アパレル大手が飲食事業本格参入
若者に人気のファッション専門店を国内外に約20ブランド、1400店舗以上を展開しているアダストリアは、2017年に設立した外食子会社を通じて本格的にフード事業への参入を開始した。独自ブランドの1号店として、新しいスタイルの中国料理「ロンファーチャイニーズパーラー」を東京・池袋の商業施設に出店。また同時に、米国カリフォルニアを中心に世界で875店を展開するスムージー専門店チェーン「ジャンバ ジュース」と国内の独占契約を交わし、今夏から展開を開始するという。
解説=アダストリアは連結売上高が2000億円を超すアパレル大手。「沢村」や「酢重」など話題の飲食ブランドを展開する外食企業フォンスや、著名な飲食店プロデュース会社などと組んで、新たな成長事業の確立を目指す。
●アントワークスが焼肉の新業態
「伝説のすた丼屋」などを展開するアントワークスが、新業態「焼肉 まる秀」を東京・国分寺に出店。黒毛和牛と北海道産米をメインにした郊外ロードサイド型の焼肉店で、従来型の業態よりも運営しやすく、出店もスピーディーになるという。
●「和食さと」がH20リテイリングと提携
関西を中心に、阪急阪神百貨店やスーパーのイズミヤなどの小売業を傘下に置くエイチ・ツー・オー リテイリングは、「和食さと」などを展開するSRSホールディングスと資本業務提携に関する基本合意書を締結した。
●新宿の商業施設に白砂のビーチカフェ
東京・新宿のJR新宿駅に隣接する商業施設「ルミネエスト」の屋上に、約15tの白砂を敷き詰めたバーベキューやビアガーデンが楽しめる500坪のビーチカフェがオープン。運営は、木更津や仙台などでも同様の屋外飲食施設を展開するRECREATIONS。
●資生堂パーラーが自由が丘に路面店
資生堂パーラーが、東京・目黒区の自由が丘に、同社としては初となる1階の路面店舗を出店した。レストランとカフェ、洋菓子などの売店を兼ね備えた店舗で、道路に面した広いテラス席が特徴。菓子工房も併設して同店限定スイーツも販売する。
●東京・立川の老舗懐石料理店が閉店
東京・西国立駅の老舗懐石料理店「無門庵」が閉店した。同店は1938年に「ホテル無門庵」として創業、戦後も米軍の宿などとして利用されたが91年に懐石料理店として再生。同経営の地ビールブルワリー「ファクトリーカミカゼ」も同時に閉店した。
●銀座のビル屋上でイベント許可取得
東京・銀座の商業ビル「キラリト ギンザ」に入居する飲食店「PLUSTOKYO」が、屋上部分の客席で特定遊興飲食店営業の許可を取得。ビルの屋上で、DJイベントなどの営業が可能なエンターテインメント型の店舗として話題となる。
●大阪にSNS映えチーズ専門店
近畿エリアを中心に居酒屋などを展開する京都のイコンが、大阪・梅田の商業施設「NU茶屋町」にチーズをテーマにした飲食店「BeNe(ベーネ)」を出店。北海道産や海外などのチーズを取り揃え、スイーツやドリンクなど見た目にも華やかなチーズ料理の専門店。
●ジローRS渋谷に本格ピザの新業態
ジローレストランシステムが新業態の薪窯ピザ専門店「PIZZA LA VALLE di TOKYO(ピッツァリア ラ ヴァッレ ディ トウキョウ)」を東京・渋谷に出店。希少なイタリアの「ピエンノロトマト」を使用するなど、本格的なナポリピザを提供する。
●台湾発のチーズティーが日本上陸
ファッション専門店と飲食店を展開するベイクルーズが、台湾のチーズティー専門店「machi machi(マチマチ)」を日本に出店。チーズティーは台湾茶にチーズクリームをトッピングしたドリンク。東京・自由が丘に期間限定店を出し、その後、原宿に1号店をオープンする。
●神戸に青森リンゴのスイーツ店
神戸のワールド・ワンが、青森リンゴをテーマにしたスイーツ店を神戸に出店。同社は地方自治体と協定を結び、各地の生産者と直接取引を行う「郷土活性化組合プロジェクト」により、各地域をテーマにしたアンテナショップ型の居酒屋などを26店舗出店している。
編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)
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