メニュートレンド:激戦区で人気! 親子丼専門店の“変わり種”メニュー

2019.09.02 487号 28面
出し巻き親子丼 780円(税込み)ビッグなだし巻きの食べ応えに、卵好きも大満足の一品。写真奥は「炭焼親子丼」680円(税込み)。丼は、味噌汁と漬物付き

出し巻き親子丼 780円(税込み)ビッグなだし巻きの食べ応えに、卵好きも大満足の一品。写真奥は「炭焼親子丼」680円(税込み)。丼は、味噌汁と漬物付き

にぎやかな商店街にあり、インバウンド客も多い

にぎやかな商店街にあり、インバウンド客も多い

 親子丼は、家庭料理としてもなじみ深い、丼メニューのスタンダード。近年、大阪の飲食店では、卵や鶏肉にこだわった高級感ある親子丼も登場しているが、リーズナブルにこだわりの味を楽しめると人気なのが、昨年オープンした、「炭焼親子丼の店 鶏玉 天五店」だ。ユニークな“変わり種”メニューも提案し、親子丼の新境地を切り開いている。

 ●鶏そぼろとマッチさせ丼に 手頃な価格設定も魅力

 同店があるのは、大阪市内では屈指の商店街である、天神橋筋商店街内。“食の激戦区”として知られる天満エリアにあり、他店との差別化を図るのも繁盛へのポイントとなる。

 親子丼専門店という珍しい業態を経営するのは、アミューズメント事業などのほか、飲食事業も展開する千里丘観光開発。同社では、以前、本町で居酒屋を運営しており、ランチには炭焼きの鶏肉で3種類の親子丼を提供していた。その味が好評を博し、「この商品を生かしたい」という思いが専門店化へとつながったという。

 素材には、国産の鶏肉と厳選した卵を使用。炭焼きで香ばしくうま味を凝縮した鶏肉と卵、風味豊かなだしとの、バランスの取れたおいしさを目指している。また、親子丼が680円~という手頃な価格設定もアピールポイントとなっている。

 親子丼のグランドメニューは6種類で、一番人気はオーソドックスな「炭焼親子丼」(680円)。夏場は、だしとレモンを一緒に炊き、爽やかに味付けした「塩親子丼」(同)も好評だ。その他、トマトやキムチ、チーズを取り入れた新商品も用意し、多彩な親子丼を販売している。

 中でも、ユニークなスタイルで話題なのが、「出し巻親子丼」(780円)。甘辛く味付けした国産鶏ミンチに大きなだし巻きをのせ、銀あんをかけて仕上げる、ひと味違う“親子丼”である。だし巻きには卵を3個使用し、注文を受けてから焼き上げて、熱々を提供。だしの配合を研究し、ふわふわの食感に仕上げている。

 「このメニューは、開店に合わせて開発した、鶏玉だけのオリジナルメニュー。だし巻き定食は一般的ですが、丼にして出したいと、鶏そぼろとのマッチングを考えました」と、垣内伸二店長。インパクトある姿が評判を呼び、このメニュー目当てのリピーターも増加中だ。また、だし巻き単品での持ち帰りにも対応しており、夕食のおかずとして購入するミセスもいるとか。

 開店以来、順調に集客数は増加中という同店だが、「親子丼は、幅広い年代が楽しめる食べやすい商品。週単位で来店してもらえる、地域に愛される店を目指したい」と、垣内店長は意欲を語る。同社では、2号店の開店も検討中で、今後の展開にも注目である。

 ●店舗情報

 「炭焼親子丼の店 鶏玉 天五店」 経営=千里丘観光開発/店舗所在地=大阪市北区天神橋5-7-20/開業=2018年4月/坪数・席数=約10坪・11席/営業時間=11時~22時。無休/平均客単価=700円

 ●愛用資材・食材

 「液体塩こうじ」業務用 ハナマルキ(長野県伊那市)

 味に深み出し使いやすい

 同店の人気商品「塩親子丼」の調理で愛用しているのが、ハナマルキの「液体塩こうじ」。だしに配合するとまろやかな塩味が加わり、味に深みが増すのが魅力という。また、粒のない液体タイプのため計量がしやすく、使いやすいのもポイントだ。同店では、鶏の唐揚げも提供しており、鶏肉のつけ地にも活用している。

 規格=500ml

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