メニュートレンド:30年間、不動の人気ナンバーワン 鶏肉チャーハン

2020.05.04 495号 02面
鶏肉チャーハン 800円(税抜き) このボリュームで普通盛り、総重量約800g。この一皿で唐揚げとチャーハンが楽しめるお得感があり、不動の人気に納得する

鶏肉チャーハン 800円(税抜き) このボリュームで普通盛り、総重量約800g。この一皿で唐揚げとチャーハンが楽しめるお得感があり、不動の人気に納得する

鶏肉を広げながら揚げるのが、肉に均一に火を通すコツ

鶏肉を広げながら揚げるのが、肉に均一に火を通すコツ

コメの粒をつぶさないようにフワッと盛る

コメの粒をつぶさないようにフワッと盛る

唐揚げは約9㎝幅とボリューム満点

唐揚げは約9㎝幅とボリューム満点

 “町中華”が話題だ。町中華とは安い、うまい、ボリューム満点の三拍子が揃った、地元で長年愛されている中華料理店のこと。横浜駅から京浜急行本線・エアポート急行で7分の井土ケ谷駅にある「チャイナ飯店」も、そんな一軒。昨年、開店30周年を迎えた。同店のメニューの中でも、地元の人で知らない人がいないというのが「鶏肉チャーハン」だ。

 ●唐揚げのボリュームがハンパない!

 「鶏肉チャーハン」というと、細かくカットした鶏肉をライスに混ぜたものをイメージするが、「チャイナ飯店」の場合は写真の通り、大ぶりの唐揚げ6個がチャーハンを覆い、その存在感をアピールしている。

 「うちの『鶏肉チャーハン』は、開店当初からの不動の人気ナンバーワンメニューです」と語るのは、10年前に同店を受け継いだ2代目オーナーシェフの鐘本漢威氏。メニューの考案者は先代オーナーで、台湾出身の鐘本シェフの父親。

 「台湾には、鶏肉1枚を薄くのばして揚げた『ジーパイ』という料理があります。最初はそれをチャーハンの上にのせていましたが、お客さんが食べにくそうだったので、大きめサイズの唐揚げにしたら、これがバカウケして……。今も、週末は唐揚げを揚げ続けないと間に合わないほど、よく出ます」。

 鶏もも肉は均一の厚さになるように切り方を工夫し、さらに肉を指でのばしながら揚げ油に投入する。「こうすることで肉の表面に素早く火が通り、肉汁が外に出ません。だから外はカリッと中はジューシーに揚がります」。

 チャーハンの盛り付け方にもこだわりがある。「よくチャーハンをおたまに入れて半球形に盛り付けますが、それだと鍋を振って、空気を含ませながら炒め上げたチャーハンが固まってしまいます。おコメの粒をつぶさないようにフワッと盛るのがこだわりです」。

 「唐揚げをチャーハンにのせる」と聞くと、「それだけで看板メニューになる?」と思いがちだが、30年間、売れ続けた実績の陰にはプロの料理人の研さんが込められていた。

 ●店舗情報

 「チャイナ飯店」 所在地=横浜市南区井土ケ谷中町157/開業=1989年/坪数・席数=36坪・80席/営業時間=11時~15時、17時~24時。月曜休/平均客単価=昼700円、夜900円/1日平均集客数=平日200人、土・日400人

 ●愛用資材・食材

 「本醸造しょうゆ こいくち」 キッコーマン食品(東京都港区)

 使い慣れた味は変えられない

 醤油本来の味・色・香りの三拍子が揃い、和洋中どんな料理にも合うプロ仕様の醤油。「うちのメニューには欠かせない調味料です。他の商品に変えてみたこともありますが、なんか違うと思って、やっぱりこれに戻りました。先代から愛用しているので、慣れ親しんだ味と風味で扱いやすいですよ」と鐘本オーナーシェフ。

 規格=18L

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