メニュートレンド:30年間、不動の人気ナンバーワン 鶏肉チャーハン
“町中華”が話題だ。町中華とは安い、うまい、ボリューム満点の三拍子が揃った、地元で長年愛されている中華料理店のこと。横浜駅から京浜急行本線・エアポート急行で7分の井土ケ谷駅にある「チャイナ飯店」も、そんな一軒。昨年、開店30周年を迎えた。同店のメニューの中でも、地元の人で知らない人がいないというのが「鶏肉チャーハン」だ。
●唐揚げのボリュームがハンパない!
「鶏肉チャーハン」というと、細かくカットした鶏肉をライスに混ぜたものをイメージするが、「チャイナ飯店」の場合は写真の通り、大ぶりの唐揚げ6個がチャーハンを覆い、その存在感をアピールしている。
「うちの『鶏肉チャーハン』は、開店当初からの不動の人気ナンバーワンメニューです」と語るのは、10年前に同店を受け継いだ2代目オーナーシェフの鐘本漢威氏。メニューの考案者は先代オーナーで、台湾出身の鐘本シェフの父親。
「台湾には、鶏肉1枚を薄くのばして揚げた『ジーパイ』という料理があります。最初はそれをチャーハンの上にのせていましたが、お客さんが食べにくそうだったので、大きめサイズの唐揚げにしたら、これがバカウケして……。今も、週末は唐揚げを揚げ続けないと間に合わないほど、よく出ます」。
鶏もも肉は均一の厚さになるように切り方を工夫し、さらに肉を指でのばしながら揚げ油に投入する。「こうすることで肉の表面に素早く火が通り、肉汁が外に出ません。だから外はカリッと中はジューシーに揚がります」。
チャーハンの盛り付け方にもこだわりがある。「よくチャーハンをおたまに入れて半球形に盛り付けますが、それだと鍋を振って、空気を含ませながら炒め上げたチャーハンが固まってしまいます。おコメの粒をつぶさないようにフワッと盛るのがこだわりです」。
「唐揚げをチャーハンにのせる」と聞くと、「それだけで看板メニューになる?」と思いがちだが、30年間、売れ続けた実績の陰にはプロの料理人の研さんが込められていた。
●店舗情報
「チャイナ飯店」 所在地=横浜市南区井土ケ谷中町157/開業=1989年/坪数・席数=36坪・80席/営業時間=11時~15時、17時~24時。月曜休/平均客単価=昼700円、夜900円/1日平均集客数=平日200人、土・日400人
●愛用資材・食材
「本醸造しょうゆ こいくち」 キッコーマン食品(東京都港区)
使い慣れた味は変えられない
醤油本来の味・色・香りの三拍子が揃い、和洋中どんな料理にも合うプロ仕様の醤油。「うちのメニューには欠かせない調味料です。他の商品に変えてみたこともありますが、なんか違うと思って、やっぱりこれに戻りました。先代から愛用しているので、慣れ親しんだ味と風味で扱いやすいですよ」と鐘本オーナーシェフ。
規格=18L