海外通信 外食ビジネスの新発想(35)クラック・シャック 人気沸騰中のチキン・サンドイッチ

2020.12.07 502号 11面
ブレックファスト・サンドイッチ 9$ 目玉焼き、アボカド、アメリカン・チェダーチーズをブリオッシュで挟んだもの

ブレックファスト・サンドイッチ 9$ 目玉焼き、アボカド、アメリカン・チェダーチーズをブリオッシュで挟んだもの

ファイアーバード 12$ スパイシーなジドリのもも肉のフライ、クリスピーなオニオン、ピクルスをポテト・ロールで挟んだもの

ファイアーバード 12$ スパイシーなジドリのもも肉のフライ、クリスピーなオニオン、ピクルスをポテト・ロールで挟んだもの

クープ・デヴィル 12$ ジドリのむね肉のフライに、フレズノ・チリのピクルス、ライム・マヨネーズ、白菜をブリオッシュで挟んだもの

クープ・デヴィル 12$ ジドリのむね肉のフライに、フレズノ・チリのピクルス、ライム・マヨネーズ、白菜をブリオッシュで挟んだもの

ダブル・クラッカー 12$ ジドリのミンチで作ったパティ2枚、チェダーチーズ、ベーコン、つぶしたアボカド、バーガーソース、ピクルス、オニオンのフライをポテト・ロールで挟んだもの

ダブル・クラッカー 12$ ジドリのミンチで作ったパティ2枚、チェダーチーズ、ベーコン、つぶしたアボカド、バーガーソース、ピクルス、オニオンのフライをポテト・ロールで挟んだもの

セニョール・クロック 12$ カラっと揚げたジドリのフライ、ベーコン、目玉焼き、チェダーチーズ、味噌メープルバターをブリオッシュで挟んだもの

セニョール・クロック 12$ カラっと揚げたジドリのフライ、ベーコン、目玉焼き、チェダーチーズ、味噌メープルバターをブリオッシュで挟んだもの

サンディエゴ店は、フラッグシップ店。南カリフォルニアの太陽を浴びれるよう、広々とした屋外の座席もたくさん用意している

サンディエゴ店は、フラッグシップ店。南カリフォルニアの太陽を浴びれるよう、広々とした屋外の座席もたくさん用意している

 ●南カリフォルニアで展開

 ここ数年、いきなり人気が急上昇したフライドチキンのサンドイッチ。いったいこの人気はなぜなのだろう。かなり前に「チキンは肉ではない」という発言を耳にしたことがある。このジョークめいた発言には、少しだけ真実も隠れている。チキンは淡白で、どちらかといえば魚に近いヘルシーな位置付けだった。

 それからアメリカ人の肉離れが加速し、ベジタリアンが増えてきた。一言でベジタリアンといえどいろいろあり、「ペスコ・ベジタリアン」は、肉類は食べないが魚類は食べるし、「ラクト・オヴォ・ベジタリアン」は、肉類は食べないが卵や乳製品は食べる。「ラクト・ベジタリアン」は、肉類と卵は食べないが乳製品は食べ、「オヴォ・ベジタリアン」は、肉類と乳製品は食べないが卵は食べる。そして「ビーガン」は、あらゆる動物由来のものは食べないので、卵や乳製品、蜂蜜、ゼラチンも食べない。家禽類と魚類をごくたまに食べるベジタリアンは「フレキシタリアン」と呼ぶ。

 何にしても、チキンはヘルシーというイメージがあり、そのチキンのフライにつきものなのがビスケット。アメリカでのビスケットは、スコーンのようなソフトな丸いクイック・ブレッドで、この組み合わせは南部のコンフォートフードとして愛されている。チキン・サンドイッチの人気度が高まってきたのは、ファストフードでありながらもコンフォートフードであるがゆえなのかもしれない。

 さて、「クラック・シャック」は、サンディエゴ発のハイエンドのチキン・サンドイッチ専門店だ。使用しているのは、オーガニック、抗生物質フリー、保存料フリー、GMOフリー、ホルモン・フリー、漂白剤も着色料を使わず、しかも、アメリカの「放し飼い」以上の基準で育てられたジドリ・チキン。日本の地鶏の「在来種の血液の割合が50%以上」という規定は、アメリカにはない。ジドリの知名度は、まだ南カリフォルニアに限定されているが、いずれは全米に広まっていくことだろう。同店では、このジドリをと畜後48時間以内に入手し、調理している。

 同店のメニューは「フロック・ミール(ジドリのフライ、ナゲット、ポテトフライ、コールスローやビスケット、クッキー)」という大人数用のメニューのほか、「フライドチキン・サンドイッチ」がメインで、ボウルもの、サイドディッシュ、スイーツから構成。衣は研究を重ね、外はカリっと中はジューシーなフライドチキンが生まれた。目玉商品のサンドイッチは、どれもボリュームたっぷりで、バラエティー豊かな7種類。人気のトップ3は「ファイアーバード」「クープ・デヴィル」「セニョール・クロック」。

 12$中心の価格帯だが、使っている食材は、ジドリ・チキンをはじめ、すべて厳選されたものばかり。シェイク・シャックのチキン・サンドイッチ版ともいうべき存在で、創始者を含め、若いチームで運営している。サンディエゴのフラッグシップ店のほか、カリフォルニアに5店舗、ラスベガスに1店舗オープンしているが、すべて直営店だ。これからも当分、南カリフォルニアを中心に広げていく予定だ。

 ●店舗情報

 「クラック・シャック(Crack Shack)」

 所在地=2266 Kettner Blvd San Diego, California

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら