繁盛店のまかない:「鯖なのに。」 スタッフが喜ぶものを作る
●メニューの試作を兼ねて手を抜かない
「鯖なのに。」は鯖の塩焼き専門店。鯖には徹底的にこだわり、茨城県波崎にある老舗干物店「越田商店」の「鯖文化干し」を使用。「40年余り塩と水だけをつぎ足し続けた秘伝の漬け汁に漬けて干した鯖には、青魚特有の臭みが一切ありません」と田代雅之店長は言う。
同店のまかないは、田代店長が一手に引き受ける。「まかないにしては手間をかけ過ぎ?」とも思うが、「メニューの試作を兼ねていることもありますが、スタッフが喜んでくれるものを作ります。料理で人を喜ばせたいという思いは、お客さんに対しても、スタッフに対しても同じですから」。
本日のまかないは、メニューにもなっている「鯖の細巻」。2日間、冷凍した鯖を半解凍して、酢と砂糖で約1時間締める。さらに2日間、昆布締めにしたものを細巻にする。巻物に使うのは、鯖の半身でも脂が少なめの尾に近い部分。酢飯との相性もいい。
同店はコロナの影響で一時期、店内での飲食を自粛し、テイクアウトのみの営業となったが、「店の売上げが落ちることはなかった」と言う。地元の根強いファンをつかんでいることと、スタッフ思いの店長のまかないのおかげかもしれない。
●店舗情報
「鯖なのに。」 所在地=東京都大田区大森北1-7-1