メニュートレンド:“れんげ寿司”新提案 カラフルなレンゲが寿司を彩る

2023.12.04 538号 02面
おまかせれんげ寿司7種盛り 1,680円(税込み) 鮮魚は高知の漁師から直送されるなど品質にもこだわる。取材時は本マグロ、サーモン、真鯛、カンパチ、ヒラメ、アジ、ホタテの7種類。レンゲは柄に模様のあるタイプにこだわってネット通販とリアルの店舗を探し回ったという

おまかせれんげ寿司7種盛り 1,680円(税込み) 鮮魚は高知の漁師から直送されるなど品質にもこだわる。取材時は本マグロ、サーモン、真鯛、カンパチ、ヒラメ、アジ、ホタテの7種類。レンゲは柄に模様のあるタイプにこだわってネット通販とリアルの店舗を探し回ったという

ハケで醤油を塗る方法で高級寿司店気分も楽しめる

ハケで醤油を塗る方法で高級寿司店気分も楽しめる

シャリ、ネタ、レンゲがバランスよく整うように盛り付けていく

シャリ、ネタ、レンゲがバランスよく整うように盛り付けていく

天井の提灯が大衆酒場のにぎわいを演出し、一人飲みも利用しやすい。個室や座敷席もあり、宴会ニーズにも対応する

天井の提灯が大衆酒場のにぎわいを演出し、一人飲みも利用しやすい。個室や座敷席もあり、宴会ニーズにも対応する

【愛用食材・資材】「すし酢1」 Mizkan(愛知県半田市)

【愛用食材・資材】「すし酢1」 Mizkan(愛知県半田市)

 近年注目のヒット業態といえば「大衆寿司酒場」。昭和の時代ではどこにでもあった店だが、若者世代のセンスと融合して新たな魅力を打ち出している。そうした潮流の変化を感じさせるアイテムで注目を集めるのが、神奈川・溝の口の「天ぷらと鮮魚とれんげ寿司 魚天(ぎょうてん)」だ。

 ●古き良き「寿司酒場」がZ世代向けに進化

 女性の和装に用いられるような艶やかな模様で彩られたレンゲに、手毬寿司サイズのお寿司がちょこんとのせられた様子がなんともかわいらしい。スプーンに一口サイズの料理を盛り付けた現代フランス料理の前菜のようだ。「レンゲに寿司を盛り付けることで、食べやすさと楽しさをプラスし“酒のアテとしてのにぎり寿司”を印象づけられると考えました」と、店長の稲垣良多さんは開発の狙いを語る。

 商品化のポイントとなったのが寿司のサイズ調整。箸で取って食べる普通の寿司とは勝手が違い、レンゲにのせたまま一口で食べやすいサイズを見いだすのに試行錯誤した。また、寿司ネタはレンゲから少しはみ出すくらいのサイズを意識してカットし「ボリューム感」にも気を配る。シャリの量は15g前後と少なめで酒のツマミに最適だ。仕上げに食用花をひとつまみのせて華やかさをプラスする。

 「提供法の意外性と見た目のかわいらしさから、最初に注文して写真をSNS投稿するお客さまが増えてきています」と、稲垣店長は手応えを強くする。

 また、食べるときに欠かせない醤油は、醤油さしで上からかける回転寿司で見かける方法ではなく、ハケで塗って食べる。高級寿司店では職人が仕上げにサッと一塗りして提供する光景を見かけるが、それを客自身がセルフでできるところも楽しさ演出につながっている。

 同品はおまかせ7種盛りを柱に、いくら450円、ハガツオ350円など単品でも10種前後をラインアップ。実際のところ他の寿司居酒屋より少なめながら“れんげ寿司”と個性を立たせたことで、しっかりと看板商品としての存在感を放つことに成功している。

 「定番の鮮魚に加えて、旬の魚の日替わりメニューを増やすなど、れんげ寿司のバリエーションを広げていきたいですね」と稲垣店長は抱負を語る。

 ●店舗情報

 「天ぷらと鮮魚とれんげ寿司 魚天」

 所在地=川崎市高津区溝の口1-12-10 ウエストキャニオンビル4階/開業=2023年7月/坪数・席数=30坪・80席/営業時間=16時~翌0時。不定休/平均客単価=3000円

 ●愛用食材・資材

 「すし酢1」 Mizkan(愛知県半田市)

 飯の状態問わずシャリの味を安定

 同店はシャリをロボットではなく料理人の手で握る。酢飯は少量ずつ作るが、飯の状態や分量に左右されず一発で味が安定して仕上がることが同品採用の理由。穏やかな酸味で寿司ネタの味を引き立てて、幼児から高齢の客まで万人が好む寿司に仕上がる。

 規格=1.8L

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら