山本純子のスゴイぜ!業務用冷凍食品(64)エム・シーシー食品「兵庫県産バジルのジェノベーゼ」ほか
●地元の6次産業化を支援 香りよし、味よし、色よし
パスタメニューでジェノベーゼをオーダーする人はおしゃれでした。ジェノベーゼってジェノバ風だと知ったかぶりをしても、ジェノバがイタリアのどこら辺りかはあいまい。イタ飯ブームは私にとってはそんなもので、バジル(英)=バジリコ(伊)だと最近知ったときは衝撃を覚えました。
さて、ご想像ください。日光をたくさん浴びて露地栽培で育ったバジル。厚みがあって香りのよい葉。その新芽の葉を丁寧に手摘みします。しかも早朝に収穫して、畑のすぐそばの工場で、その日のうちにオリーブオイルを加えて加工・凍結したバジルペースト。
まさに“冷凍”でフレッシュを閉じ込めた製品です。バジル本来の香りが生きていて、味わいよく、色合いも鮮やかで言うことなし。
これはジェノバの話ではなく、兵庫県たつの市のこと。神戸が本社のエム・シーシー食品、水垣宏隆会長(当時社長)の「安全・安心の原料で製造したい」という強い思いが発端で、同社は20年以上前に地元でバジル栽培農家を探すところからスタートしました。県農政の支援も受けて、ささ営農・八木正邦代表と出会い、2004年に開発したのが「兵庫県産バジルペースト」です。
ささ営農は、小規模農家が農地中間管理機構に託した農地を借り受けて、地域農業を担い、活性化させている組織です。同社からの提案を受けたときは、「バジルってなんやねん」というところから始まったとか。しかし、栽培だけにとどまらず、現地で冷凍加工場まで持つ取り組みに。つまり、一気に6次産業化まで達成した事業になりました。現在、バジル生産量は65tにまで拡大しています。
冷凍バジルペーストは、神戸の同社工場でジェノベーセソースをはじめとする加工品の原料としても活用されます。同社の新入社員は全員、収穫時期にバジルの手摘み実習に参加、加工施設も見学して、こだわりの事業を体感しています。
日本の農業を未来につなぐというささ営農の思い。畑から製品まで関わる製品づくりを通じて、地域活性化へ貢献したいというエム・シーシー食品の思い。その思いが重なったバジル加工品は、どこまでも爽やかなのです。
●ここがスゴイ!=露地栽培、手摘み・朝摘みバジル
●商品概要
エム・シーシー食品「兵庫県産バジルのジェノベーゼ/兵庫県産バジルペースト」
規格=250g×20袋×2合/70g×5袋×6入×2合