愛用食材と調理技術:赤身と脂身のバランスがよい「リブフィンガー」
●味の要は4種のスープ
大阪市の空堀商店街にある同店は、欧風カレーを提供する人気店。メニューの中でも好評の「ごろっとカルビのカレー」で愛用するのが、カルビの一種である「リブフィンガー」だ。
「一般的なビーフカレーには、ももやランプ、すじなどの赤身肉を使用する場合が多いが、関西人はカルビが大好き。赤身と脂身のバランスがよく、噛み応えもありジューシー感もあるリブフィンガーを選択しました」と、篠原直希店主。
調理では、まず肉をオーブンでこんがりとグリルする。さらに、香味野菜と一緒に1時間強ほど煮込むことで、肉が軟らかくなると共に、野菜などのうまみも入る。スープには、肉のうまみと香ばしさがプラスされ、香りのアクセントがついたフォン・ド・ヴォーに仕上がるという、相乗効果のある手法である。
皿には、1人前100g強ほどの肉がメニュー名どおり“ごろっ”とのり、期待通りのボリューム。口に入れると軟らかくほぐれ、ビーフカレーならではの幸福感に包まれる。
また、同店のカレーに欠かせないのが、フォン・ド・ヴォー、牛すじスープ、鶏白湯、トマトソースの自家製4種のスープ。それらを合わせてスパイス約20種を加えて1週間煮込み、さらに3日間寝かせて熟成させる。「4種のスープが調和することでおいしくなる。うまみの重なりが生み出す味わいを表現できるのも、欧風カレーのよいところ」と、篠原店主は話す。
●店舗情報
「らんらんルー」
所在地=大阪市中央区谷町6-4-8