山本純子のスゴイぜ!業務用冷凍食品(70)アイ・ジー・エム「シンチャオフローズン 冷凍フォー」
●生麺の味わい再現 本場ベトナムで生産
読者の皆さまには、今春、日本食糧新聞社主催の「FABEX2025」に行かれた方も多くいることでしょう。私も毎年取材し、業務用食材の最前線をチェックしています。今回も注目すべき業務用冷凍食品の提案がいろいろありましたが、中でもアジアンメニューを並べたIGM(アイ・ジー・エム)のブースに立ち寄り、この冷凍フォーを試食したときは、かなり驚いた次第。数度訪れたことのあるベトナムで味わった、“おいしいフォー”だったからです。
「アジアの食の開発輸入会社」をうたうIGM(本社・東京都港区芝)は、日本の消費者ニーズに合わせたアジア各国の食品を現地で開発しています。カタログを見ると、見覚えのある変わりギョウザもありました。それは、私がかつて通販企業から委託を受けて試食し、高く評価しコメントを提出したことのある商品です。なるほど。日本のマーケットを熟知し、海外で商品開発をしている企業なんだと納得しました。
冷凍フォーの原材料は、ベトナム産の長粒米(95%)、でんぷん、塩のみ。現地で一番人気の生麺の味わいを出すべく、ゆでたてを急速凍結しています。冷凍だから添加物は不要で、現地の味わいが時空間を超越して日本で楽しめるのです。
以上、とても簡単に説明しましたが、開発担当に取材をしたところ、生麺メーカーには調理して冷凍する設備がなく、凍結設備のあるメーカーには製麺機能がないという中で、商品完成までには3年以上の年月がかかっています。
ボイルで30秒~1分。レンジで500W3分とスピーディー。独自の工夫により1玉は半分に手で割れるように凍結。少量メニューや1.5人前の大盛りにも対応できます。今年夏には、「フォースープ」(常温粉末タイプ)も発売します。楽しみですね。
さて、コメが主食の日本で、なぜか米粉麺がメジャーになりませんでした。それは、短粒の日本米では、べたべた食感でコシもなくなるから、だそうです。勉強になりました。
●ここがスゴイ!=米比率95%の本格派
●商品概要
アイ・ジー・エム「シンチャオフローズン 冷凍フォー」
規格=160g×5/袋×6袋/箱×2合