海外通信 外食ビジネスの新発想(103)フローズンヨーグルト第2波到来

2026.08.03 570号 10面
フレーバーはオリジナル、ストロベリー、チョコレートのほかにも季節のものも。コンポートをはじめトッピングは自家製

フレーバーはオリジナル、ストロベリー、チョコレートのほかにも季節のものも。コンポートをはじめトッピングは自家製

「マディソン・フェアー」が元祖、ピスタチオ・クナーファはフロヨのトッピングとして大人気

「マディソン・フェアー」が元祖、ピスタチオ・クナーファはフロヨのトッピングとして大人気

「マディソン・フェアー」オーナーシェフのキナナ氏

「マディソン・フェアー」オーナーシェフのキナナ氏

(写真左)一番人気の「MYKAスペシャル」。オリーブオイル、ハチミツ、ピスタチオとビターオレンジチップのトッピング($12.15)/(右)ピスタチオ・クナーファ($10.90)

(写真左)一番人気の「MYKAスペシャル」。オリーブオイル、ハチミツ、ピスタチオとビターオレンジチップのトッピング($12.15)/(右)ピスタチオ・クナーファ($10.90)

地中海をイメージした店内インテリアとトッピングのセレクションが魅力の「ミイカ」

地中海をイメージした店内インテリアとトッピングのセレクションが魅力の「ミイカ」

シンプルな餅トッピング($10.5)

シンプルな餅トッピング($10.5)

オーガニックなホールミルクを使用し、さっぱりしていて甘さは控えめ。トッピングはフルーツやハチミツなどシンプル

オーガニックなホールミルクを使用し、さっぱりしていて甘さは控えめ。トッピングはフルーツやハチミツなどシンプル

フルーツソースとグラノラトッピング($12)

フルーツソースとグラノラトッピング($12)

●見た目も味も多彩に進化

米国・ニューヨークでフローズンヨーグルト(フロヨ)が再び注目を集めている。2000年代後半から10年代前半にかけての第1次ブームでは、セルフサーブ方式や量り売りを特徴とするチェーン店が急拡大したが、その後は過剰出店などにより市場は縮小した。ところが近年、マンハッタンでは新たな専門店が相次いで再び登場し、特にニューヨーク大学周辺を中心に若年層の支持を集めている。

今回の特徴は、各店が異なる価値提案を行い、フロヨを単なるヘルシーデザートの枠を超えた存在へと進化させている点だ。その代表格の一つがMYKA(ミイカ)である。スペイン発祥のブランドで、地中海の食文化をテーマにした独自の世界観が特徴だ。オリーブオイルやピスタチオ、ドライフルーツなど地中海を意識したトッピングを取り揃え、従来のフロヨ店とは一線を画す。洗練された店舗デザインや色彩豊かな商品構成はSNS映えも意識しており、ウェルネスとオリジナリティーを両立。海外ブランドならではの異国情緒も、ニューヨークの多様な消費者層を引き付ける要因となっている。

一方、Culture(カルチャー)はヨーグルトそのものの品質で勝負する。もともとヨーグルト専門店として培った知見を生かし、原料や発酵による風味へのこだわりを前面に打ち出す。華やかなトッピングや見た目のインパクトよりも、ヨーグルト本来のおいしさを追求する姿勢が特徴だ。高タンパクや腸活への関心が高まる中、フロヨをウェルネス文化の延長線上に位置付ける存在として支持を集めている。

さらに異彩を放つのがMadison Fare(マディソン・フェアー)である。同店はもともと高級グローサリーとして知られ、世界各国の食材やトレンド商品を扱ってきた。その強みを生かし、オーナーシェフがキュレートした独創的なトッピングの組み合わせを提案している。近年話題のドバイチョコレートに使用するピスタチオクリームとクナーファのフィリングを店内で製造していたことから、それをフロヨに応用した「ピスタチオ・クナーファ」を考案。現在ニューヨークで広がる同トレンドの火付け役となった。フロヨというより、シェフが手掛けるデザートのような完成度の高さが魅力だ。

こうして見ると、ミイカは「地中海文化とウェルネス」、カルチャーは「素材と本格性」、マディソン・フェアーは「グルメ食材とデザート創造」という異なる方向性を持つ。第1次ブームがセルフサーブという業態そのものへの熱狂だったとすれば、現在の第2波はブランドごとの個性や世界観を競う市場へと進化している。

ニューヨークのフロヨ市場は今、単なる復活ではなく、多様化を原動力とした新たな成長局面を迎えている。そこでは「健康」「本物志向」「食のエンターテインメント」という現代の消費者ニーズが交差し、新たなデザート市場が形成されつつある。

(井澤歩)

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